「保護者がマナーの手本を」
ネット環境などで討議/県PTA研究大会が開会
「育てよう、挑戦する心 今出来る事から行動しよう~すまぬぐくる(島の心)・命どぅ宝~」をスローガンにした第58回県PTA研究大会・宮古大会(県PTA連合会主催)は26日開会した。初日は五つの分科会と二つの特別分科会(シンポジウム)が行われ、それぞれの討議で活発な意見、提言を行った。人権や子供を取り巻くネット環境についての討議では、「携帯電話(ケータイ)やスマートフォン(スマホ)は保護者が買い与える。まずは保護者がルールやマナーについて手本を示すべき」との認識を共有した。同大会は27日にマティダ市民劇場で全体会を開き、記念講演や表彰式、大会宣言決議などを行い閉会する。
西城小学校で行われた「特別分科会1」では「人権」をテーマに、川満一彦氏(県教育庁県立学校教育課指導主事)が基調提言、久場良也氏(石垣市立新川小PTA会長)と伊禮靖氏(那覇市立首里中PTA会長)が提言者となり、取り組み状況を発表した。
基調提言を行った川満氏は、ケータイやスマホの普及状況や利用状況などの実態を紹介した上で、家庭内でのルール作りを訴え。「各関係機関とも連携を取りながら、子供たちの健全育成に努めてほしい」と呼び掛けた。
被害に遭った子供たちには、「保護者や学校へ相談し、一人で悩みを抱え込まないよう伝えていく必要がある」と話した。
シンポジウムで久場氏は、家庭内での子供のスマホ利用について▽午後9時以降は利用出来ないアプリを使用し、時間制限をする▽午後9時以降は両親が預かる▽食事中は利用しない-ことを紹介。伊禮氏は「家庭の中では、平日は30分間、休日は1時間で、妻が見ている場所で利用することをルールとして決めている」と話した。
フロアからは「夜遅くまでラインをしたりして勉強に集中できない」などデメリットを挙げたほか、「母親がスマホをしながら赤ちゃんに授乳をしている光景がある」と指摘し、目を見つめ合う「アイコンタクト」でコミュニケーションを図る必要性を提言した。
コーディネーターの宮城光秀氏(前県PTA連合会長)はスマホの利用について「マナーやルールを保護者や学校が子供たちに教えていくことが大切。スマホを買い与えるのは保護者なので、フィルタリングサービスの利用やルールを作ってほしい。一つの地域や学校だけでなく、協力して取り組んでいきたい。各家庭や地域に持ち帰って実践してほしい」と助言した。
また、人権とも絡めて「いじめなどの課題がネットやスマホで起きるのが多く、世界的に見ても人権が軽んじられる傾向を感じる。人権が大切ということを今一度自覚して子供たちと接していく必要がある」と話した。
久場氏が発表した、新川小PTAの「親子ふれあい学校」を挙げ、「人権意識を高めるには互いの違いを認めることが重要。体験と交流が効果がある」と述べ、同校の取り組みを参考にして、各地域で実践するよう呼び掛けた。