石垣路線再開など要請/伊良皆村長
多良間訪問の翁長知事に/村の課題や意見交換も
【多良間】翁長雄志知事は30日、多良間村を訪れ、伊良皆光夫村長らと同村の課題について意見交換を行ったほか、製糖工場などを視察した。伊良皆村長は、現在運休している多良間-石垣間の航空路線の早期再開など5項目を要請した。
村コミュニティー施設で行われた意見交換会で伊良皆村長は、石垣間の航空路線の再開について①利用者の利便性確保②人的交流③観光産業の振興④地域産業経済の発展-につながることを強調。「村に大きな効果をもたらすものと期待される」と述べた。
これに対し、県企画部企画振興統括監の稲福具実氏は、就航予定だった第一航空の粟国空港での事故を挙げ「現在、粟国路線の再開に向け、安全運航に必要な規定の見直しについて大阪航空局と調整している状況」と説明。多良間-石垣路線の就航時期については「粟国路線再開後、必要な機長の確保の見通しが立った段階で明らかにしたい」と述べるにとどめた。
農業用水確保に向けた国営事業推進の要請については、農漁村基盤統括監の仲村剛氏が、2006年度から国が調査、検討を実施していることを挙げ「収益の高い営農計画の策定などの調査や検討を継続し、事業計画の見直しを進めている」と話した。
県営による離島水道事業の広域化については、2021年度までには、沖縄本島周辺離島の8村の水道広域化が完了することを紹介し「多良間村の水道施設が効率的な施設となるよう、最適な運転管理の確立を図るための実証事業を行っている」(阿部義則保健医療部参事)、超高速ブロードバンド(光ファイバー)環境整備については「関係市町村及び通信事業者と調整の上、整備計画を策定して計画的に推進していきたい」(稲福企画振興統括監)とそれぞれ答えた。
村は水納島には現在5人の住民が住んでおり、母牛100頭を飼育していると説明。交通手段は建造後25年が経過した連絡船(5㌧)が不定期に運航している状況を示し、水納島と多良間村を結ぶ航路連絡船の整備を求めた。
農漁村基盤統括監の仲村氏は、「離島子牛流通活性化」事業で、子牛を輸送する際に輸送費補助を実施していることを挙げ、2015年度は71頭、金額にして41万2000円の補助を行ったことを報告した。
冒頭あいさつした翁長知事は「離島で生活していく上では交通や飲料水、情報通信などさまざまな課題がある。いろいろな意見を聞かせてほしい」と話した。