製糖操業始まる/サトウキビ
県内トップ宮糖伊良部/糖度13・8度 最高の滑り出し
サトウキビの2016-17年期製糖操業が1日、県内トップを切って宮古製糖伊良部工場で始まった。初日は372㌧を搬入、平均糖度は13・8度と基準糖度帯(13・1~14・3度)内の品質を確保した。この時期の品質としては上々で、最高の滑り出しとなった。
今期のサトウキビは、気象条件に恵まれて順調に生育した。台風による被害がほとんどなく、干ばつの被害も限定的だった。生育旺盛期の適度な降雨は増産を後押し。生産量は地区全体で36万3320㌧(前期比1万8200㌧増)の豊作が見込まれている。
宮糖伊良部工場に1日に搬入されたサトウキビの糖度区分別構成比は、基準糖度帯以上の原料が全体の32%と上々の滑り出し。基準糖度帯内は46%、糖度帯以下は22%だった。この時期の品質としては高く、1㌧当たりの農家手取額も概算で2万2000円と初日から高価格が付いた。
同工場の稼働日数は130日を予定。搬入量は6万3820㌧を見込む。
製糖操業開始式で、宮糖の安村勇社長は、3工場とも年内操業に踏み切った経緯を説明し、「サトウキビに勢いがある。近年にない豊作型だ」と述べた。その上で「緊張感を持って、安全を第一に無事故無災害の操業を行っていく。農家が丹精を込めて栽培したサトウキビの糖分を限りなく回収し、好成績につなげていきたい」と話した。
下地敏彦市長や県宮古農林水産振興センターの植田修所長、市議会の棚原芳樹議長は激励のあいさつで操業開始を祝った。
キビの束を機械に投げ込んだ下地市長は、「キビの茎の太さ、長さ、重さがとにかくすごい。良い生産量になることを確信した」と力を込め、「生産農家の皆さんは、喜んで正月を迎えられると思う」と話し、製糖操業開始に伴う伊良部の発展に期待を込めた。
今年のサトウキビは豊作型。伊良部を除く工場ごとの生産見込み量は▽宮糖城辺12万6500㌧▽宮糖多良間2万2750㌧▽沖糖宮古15万250㌧-。
操業は、宮糖城辺が今月17日、同多良間は20日に開始する。沖糖宮古は来月中旬には開始する方向で準備を進めている。