当局「記憶にない」繰り返す/観光プロモ
第5回百条委 副市長らを証人尋問
観光プロモーション事業に関する調査特別委員会(百条委員会、濱元雅浩委員長)の第5回委員会が12日、市役所平良庁舎で開かれた。この日は初の証人尋問が行われたが、13年度に実施した「プロモーションビデオ制作事業」における当時の審査委員会のメンバーである担当部長らの答弁は何度も「記憶にない」が繰り返され、一部の委員からは「百条委員会に臨む姿勢としても、問題に対する認識も低い」との声が聞かれた。
同事業を受注した「宮古島市まちづくり研究会」が当時、発足して数カ月しかたっていないことを指摘した上で「事業を実施する能力を有していたと思うか」の質問に、長濱政治副市長は「同研究会の中にそうした能力のある方はいないと思う。ただある会社と共同でやるとの説明だった」と述べた。
仲間賴信委員は「提案者名は同研究会のみで共同事業とはなっていない。それなのに別の企業の人間がこの企画を当局に説明することを問題とは考えなかったのか」と追及した。
これに対して長濱副市長は「募集要項でこの事業者は該当しているかどうかについて事前に事務局が審査をするので、その審査を通ったものとの認識だった」との見解を述べた。
同審査委員会の評価項目では「能力適性」(専門的かつ豊富な知識・技術等を有しているか▽業務遂行に係る実施体制が確立または、確立される確実な見込みがあるか)があり、同研究会は参加企業の中で最も高い評価を受けている。
これについて、國仲昌二市議は「まちづくり研究会の企画書には、共同で行うとしている企業の実績や組織体制などの資料が一切ない。それなのに専門的技術などをどのように評価、判断したのか」と質問した。
長濱副市長は「その辺はよく覚えていないがたぶん、質疑の中で確認したと思う」と述べた。
この見解に対し、國仲市議は「当時、副市長は同研究会という組織も知らなかったとしている。それなのに当日のプレゼンだけで判断したのか」と追及。これに長濱副市長は「出されたものでしか判断はできない」との述べた。
また、当時の同研究会代表理事である砂川靖夫氏に対する尋問では、同研究会が市に紹介したされる埼玉県の企業(2社)とのやり取りや、この2社から市に提出されたとされる見積辞退届(2社は提出を否定)についての関与について説明が求められた。
砂川氏は、当時の事業実施については、同研究会の東京側の複数の理事のほか、中心的に作業を担っていた人物がいたことを説明した上で「当時、市側との文書のやり取りについてはこの作業を中心的にやっていた人物がやっていたと認識している」と述べた。
次回は20日に行われ、当時の担当局長と課長、係長に対する証人尋問を予定している。
また、今後は当時同研究会の東京側の理事を務めていた複数の関係者と、市側と文書のやり取りをしてたとされる人物についても証人招致を予定している。