市エコPJが経産大臣賞/カーボン・オフセットを普及
スポーツイベント推進で評価
温暖化対策に努め低炭素社会の実現に向けて、優れたカーボン・オフセットの取り組みを行う団体を表彰する「第6回カーボン・オフセット大賞」(主催・カーボン・オフセット推進ネットワーク)の表彰式が9日、東京であり、宮古島市エコスポーツプロジェクト(宮古島観光協会、宮古島トライアスロン実行委員会)が経済産業大臣賞を初受賞した。これまでにスポーツイベントによるカーボン・オフセット普及で表彰された団体はなく、同プロジェクトが初めて。宮古島観光協会の豊見山健児会長らが12日、同実行委員会長の下地敏彦市長に受賞を報告した。
具体的な取り組み事例の紹介を通じて、カーボン・オフセットの意義と取り組みへの理解が社会全体に広く浸透することを目的に開催されている。
同プロジェクトの事例内容は、エコアイランド宮古島マラソン、全日本トライアスロン宮古島大会において「イベント開催による参加者の移動」「参加者の島滞在」に伴う二酸化炭素総排出量をカーボンオフセットするというもの。大会参加者のエントリー費用にカーボン・オフセット料を含めるという画期的な企画を盛り込み、イベント参加者のカーボン・オフセットに関する理解と協力が裏付けとなり「参加型カーボン・オフセット」を実施してきた。
同プロジェクトによるカーボン・オフセットを導入したのは同宮古島大会が2012年、同マラソン大会が2013年。二つのイベントでは継続して実施している。両大会参加者は累計1万2000人以上に達している。
報告を受け、下地市長は「スポーツイベントで受賞することはユニークな取り組みが評価されたと思う。これから国内では、東京オリンピック・パラリンピックに向けてたくさんのイベントが出てくると思う」と述べた。
その上で「宮古では今回の受賞を機にもっと広げたいと思うが、その先べんを切ったのが宮古島観光協会の取り組みだ」とたたえた。
今回は全国から33件の応募があり、環境大臣賞が1団体、経済産業省大臣賞1団体、農林水産大臣賞1団体、優秀賞3団体、奨励賞5団体、特別賞1団体が決まった。
カーボン・オフセット 環境省によると、日常生活や経済活動において避けることができない二酸化炭素などの温室効果ガスの排出について、まずできる排出量が減るよう削減努力を行う。どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資することなどにより、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。