未来創造センター 工事請負契約を否決/市議会最終本会議
陸自撤回要請も不採択/総財委の採決から一転
宮古島市議会(棚原芳樹議長)12月定例会は19日、最終本会議を開き、市未来創造センター(図書館と公民館併設施設)の工事請負契約(建築1工区、電気設備、空調設備総額36億円余)を賛成少数で否決した。「千代田カントリーゴルフ場への陸上自衛隊配備計画の撤回を求める要請」と、「計画の是非が判断されるまでの間、防衛省による用地取得等に関する全ての手続きを中断するよう市議会として防衛省に要請する陳情」はそれぞれ不採択とした。同議案と陳情書を審査した総務財政委員会(嵩原弘委員長)との採決から一転、逆の採決となった。
与党が「反対」と「賛成」に分かれ、公明も与党と歩調を合わせず、与野党の構図が崩れた形となった。
高吉幸光氏は、未来創造センターの建設工事の落札率が▽建築99・93%▽電気設備99・54%▽空調設備96・1%-の高い落札率を指摘。2回の入札不調も挙げて「計画の変更、設計を見直してでも事業費の低減を図るべきだ。建設についてはやぶさかではないが、設計の見直しが必要である」として反対意見を述べた。
同議案は付託された総務財政委員会では全会一致で可決されていた。
上野野原部落会の島尻信徳会長から提出された「千代田カントリーゴルフ場への陸上配備計画の撤回を求める要請」及び「千代田カントリークラブへの陸上自衛隊駐屯地建設及び配備計画について、配備計画説明会の早期開催並びに市議会において計画の是非が判断されるまでの間、防衛省による用地取得等に関する全ての手続きを中断するよう市議会として防衛省に要請する陳情」については、総務財政委員会の嵩原委員長が「採択すべきもの」と審査結果を報告した。
これに対し反対意見として粟国恒広氏が「自衛隊配備は国の国防上必要。隣国の状況を見ると、一日も早い配備が必要である」と述べた。
一方、國仲昌二氏は「全体計画が示されていないことから議会として防衛省に要請したが、出てきたのは前回の説明会で指摘されたもので全体像が見えない」として賛成の立場を示したが、採決の結果は賛成少数で不採択となった。
未来創造センター建設工事関連の3件の議案を除く一般会計補正予算など15件は原案可決。陸自関連の2件を除く陳情書は採択、または継続審査に。否決された、総務財政委員会提出の「千代田カントリークラブへの陸上自衛隊駐屯地建設及び配備計画についての意見書」のほかの4件の意見書は原案可決した。