販売額45億4600万円/16年肉用牛競り
過去最高の売上げ/子牛1頭平均価格は74万円
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは19日、宮古地区(宮古、多良間の家畜市場)の2016年肉用牛競り実績をまとめた。販売額は過去最高の45億4625万円。前年の取引額を7億1886万円上回る実績となった。子牛1頭平均価格は前年比13万1866円高の74万746円で平均キロ単価は2859円。全国的な素牛(子牛)不足が高値取引を誘引した。
16年競りにおける子牛上場頭数は、地区全体で5801頭だった。前年より64頭減っているが、大幅な頭数減はなかった。
市場ごとにみると、宮古が前年比131頭減の4586頭、多良間は67頭増えて1215頭だった。
地区の子牛1頭平均価格は競り史上初めて70万円台の大台に乗った。性別では去勢78万8883円(前年比14万3369円高)、雌66万8435円(同比11万1037円高)といずれも高い値が付いている。
市場別の1頭平均価格は宮古が前年比13万1710円高の74万5412円、多良間が同比13万4018円高の72万3099円。いずれも70万円を超える取引は初めてとなる。
1頭当たりの価格は多良間の10月競りで売れた162万円が最高額。宮古では4月競りの129万円が最も高い取引額となった。
平均キロ単価も急伸。地区全体の価格は前年の2423円を436円上回っている。去勢は2951円で3000円に迫る勢いがあり、雌も2709円とそれぞれ高かった。市場別には宮古2834円、多良間2959円だった。
こういった子牛取引の好成績が成牛を含む全体の販売額をけん引した。宮古では3億円以上を売り上げた月が6回、そのほかの月も2億5000万円以上の販売だった。1年に7回競りを開く多良間では1億円以上の販売が5回あった。いずれも過去に例がない高値取引となった。
高値の要因は全国的な素牛不足。各地で引き合いが強いため、価格が高止まりの状態にあるという。
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターも「子牛不足が要因」と分析し、今後の見通しについては「大きく下がる要因はあまり見当たらない」とし、17年も高値を期待する。ただ、「何とも言えない状況で予測はできない」とも話した。
生産農家に対しては「削蹄や上場マナーはかなり改善されている」とし、引き続きマナー改善に取り組むよう呼び掛けている。