「オスプレイ抗議決議」を否決/市議会
与党反対「墜落でなく不時着」
市議会は19日の最終本会議で、「MV22オスプレイ墜落に抗議する決議」を賛成少数で否決した。野党や21世紀新風会などは賛成したが、与党などが反対した。
同抗議決議は13日午後9時50分ごろ、米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイ1機が、名護市の東約1㌔の沖合、浅瀬に不時着したことを受け、國仲昌二、新城元吉、上里樹の3氏が提案した。
本会議で決議文を読み上げた提出者の國仲氏は「連日、県内上空で頻繁に行われるオスプレイの飛行訓練により、飛行経路となっている集落および着陸帯に隣接する地域住民が不安に駆られる中で、このような墜落事故が発生したことは、これまでのわれわれの訴えに一切耳を傾けず、配備を強行した日米両政府の極めて重大な責任である」と指摘。「市議会は県民の生命・財産を守る立場から今回のMV22オスプレイ墜落に対し、強く抗議する」とし①配備を直ちに撤回すること②同型機を配備している普天間飛行場を早期に閉鎖し移設すること-を求め、駐日米国大使や在日米軍司令官らに送付するとした。
これに対し嵩原弘氏は「米軍発表などは不時着という表現を使っているが、決議文には墜落という表現が数多くある」と指摘。また、「普天間飛行場を早期に閉鎖し移設すること」についても「気持ちとしては分かるが、ではどこに持って行くのかという議論が続けられている。現在、最高裁で裁判中でありこの推移を見守ることから反対する」と述べた。
上里氏は賛成の立場から「欠陥機といわれるオスプレイ配備については、建白書実現に全ての自治体の長と議会が配備を撤回するよう調印した経緯がある」と強調。「繰り返される事件事故に対し、墜落事故ではなかったかのように不時着だの、そういう表現をするが、文字通り操縦不可能だったことは事故現場を見れば明らか」と述べた。
オスプレイは2012年に普天間飛行場に配備された。陸上自衛隊も導入を決めている。17年には横田基地(東京)に米空軍の特殊作戦用のCV22オスプレイが配備される。
MV22は、15年5月にハワイで着陸失敗事故を起こし、2人が死亡した。