新たな疑問噴出/観光プロモ事業百条委
担当職員を証人尋問
観光プロモーション事業に関する調査特別委員会(百条委員会、濱元雅浩委員長)の第6回委員会が20日、市役所平良庁舎で開かれた。この日は当時の担当係長と課長、観光商工局長だった下地信男生活環境部長に対する証人尋問が行われた。2014年度に実施したフジテレビの「お台場新大陸2014」にブースを設けた事業についての説明では、受注した「宮古島まちづくり研究会」ありきで進められた可能性がさらに高まってきている。
14年度の事業について、当局はこれまでの百条委員会における答弁で「指名型のプロポーザル方式で進めていた」としていたが、この日の答弁ではその説明の手法に新たな疑問が出てきた。
前年度に同研究会がプロポーザル方式で受注した「プロモーションビデオ制作事業」では、提出された企業の企画を審査する審査委員会が行われたが、14年度事業ではそれが予定されていなかったことが分かった。
この問題について、濱元委員長は「通常、プロポーザルで企業を決定する際には審査委員会を設置すべきだが、それを実施するとの資料が一切無い」と指摘。これに対して下地部長は、当時は開催予定がなかったと答弁した。
同事業については、一括交付金の交付決定日が14年の7月4日で、フジテレビのイベントが始まるのが同年の7月19日。この短期間のスケジュールで、選考委員会を開催する必要があった。
濱元委員長は「審査委員会の準備をしなくても良いという判断は誰がやったのか」の質問に下地部長は「当時、企画書を提出するよう課の方から企業側に求めていたと思う。企画書を見てからになると思っていた」と説明した。
しかし、市が同年5月に3社に求めたのは「見積書」のみで、企画書は求めていない。さらに、同研究会以外の2社からの企画書は市側に提出されていないとしている。
こうした経緯から、委員会終了後、一部の委員からは「すべてにおいて研究会が受注するために当局側が一緒になって作業を進めているといわざるを得ない。この状況だけでも官製談合との指摘を受ける」と述べた。
次回の委員会は来年1月10日に予定しており、市側とやり取りをしていた同研究会の事務局長と同研究会の代表理事(当時)のほか、市側に見積書を提出したとされている埼玉県の2業者の代表を証人招致する予定。