自衛隊配備で見解相違/市長選
課題解決へ持論展開
JC主催 4氏が公開討論会
来年1月22日の宮古島市長選挙に立候補を表明している4氏の公開討論会(主催・一般社団法人宮古青年会議所)が22日、平良港ターミナルビルで開かれた。現職の下地敏彦氏(71)、前県議の奥平一夫氏(67)、前市議の真栄城徳彦氏(67)、医師の下地晃氏(63)が出席し、宮古島の課題解決について考えを述べた。宮古への陸上自衛隊配備計画には、下地敏彦氏と真栄城氏は「国防上必要である」と賛成し、奥平氏は「島が標的になる」と反対、下地晃氏は「重装備の無い配備」と部分的には賛成の立場を示した。
立候補予定者への質問事項は、地元の高校3年生からのアンケートも含め▽市長選に立候補した理由▽学校統廃合▽観光業発展への戦略-など5項目で、1項目3分間の持ち時間でそれぞれが政策を訴えた。
陸自配備計画について奥平氏は、「新たな基地建設は近隣諸国との緊張を高めるだけでなく、島が標的になる」と強調。自衛隊誘致が経済振興につながるという声には「基地のない観光の島として、多くの観光客を呼び寄せることが必要」と主張した。
真栄城氏は、中国船の相次ぐ尖閣諸島付近での領海侵犯を指摘し「自分の国は自分で守るべきだ」と述べた。防衛省が配備計画の全容を示していない状況に「堂々と計画図を示して、市民の判断を仰がなければならない」と述べ、最終的には、住民投票の実施も視野に判断していくとした。
下地晃氏は「基本的には国の専権事項」と前置きした上で、「情報開示がないまま、自衛隊配備を押し付けることには断固反対」と話した。ただ、「重装備を無くし、市民生活や命を守ることを重点にした配備であれば議論すべき」と述べ、住民投票で民意を問うべきとした。
下地敏彦氏は、「尖閣諸島付近での中国の領海領空侵犯は常態化している」とし、「単に外交努力のみで解決できるとは考えられない」と持論を展開。「非常時に備える用意が必要」と訴えた上で、「備えあれば憂いなしという通り、自衛隊配備はやるべきだ」と強調した。
観光振興では下地敏彦氏が、クルーズ船寄港回数の増加に伴う拠点港整備計画を示した。
奥平氏は、高校に観光リゾート科設置の必要性を強調し、ごみゼロで美しい島の創出を訴えた。
真栄城氏は、ホスピタリティーやクオリティーを確立し、他の観光地との差別化を図るべきだと力説した。
下地晃氏は、国際交流センターを建設し、宮古の文化や芸能のPRとグローバルな人材育成を図るとした。