手刈りキビは220㌢まで/沖糖
豊作で荷台に収まらず/規定外は積載拒否も
「手刈りサトウキビの長さは220㌢まで」。11日に今期操業を始める沖縄製糖宮古工場が、生産農家にこんな注意を呼び掛けている。トラックの荷台の幅以上の原料(サトウキビ)を積んで走れば道路交通法違反に問われる可能性があるためだ。農家には長さ220㌢を目安にカットするよう求めており、守らない農家の原料は積み込まない場合も。厳しい措置だが、裏を返せば豊作の証し。沖縄製糖は「守ってほしい」と自助努力を促している。
今期のサトウキビは天候に恵まれて順調に生育。台風被害がなく真っすぐに伸びているのが特徴だ。
例年は台風の強風にあおられて倒れた後、しばらくして起き上がってくる。このため、収穫時期のサトウキビはぐにゃりと曲がった状態になるのが普通だ。
それに比べ今期のサトウキビは真っすぐ伸びた。台風がないから倒れることもなく、植物の特性上サトウキビは太陽を目指してすくすくと真上に成長した。
沖縄製糖によると、平均茎長は約350㌢、平年の茎長より50㌢以上長いという。これをトラックに積み込めば荷台の枠からはみ出てしまうのは必至。そのまま走行すると運転手が道交法違反に問われてしまう。
今回の運搬規制は、こういった交通違反をなくすため。沖縄製糖は各原料区に原料のカットを要望しており、キビの山を作るときには幅220㌢を目安にするよう呼び掛けている。
配布したチラシには「枠内に収まらないキビは積み込まない」と記載するほど強い姿勢で製糖期に臨む。
手刈り農家にとっては作業に一手間加わるが、今期のサトウキビは生産量、品質、取引価格ともに最高水準にある。運搬してもらえなければ元も子もない。ルールの厳守が求められる収穫シーズンになる。