日本自然保護大賞に久貝さん
県内初 サシバ保護活動を評価
公益財団法人日本自然保護協会(亀山章理事長)が10日発表した、2016年度日本自然保護大賞(沼田眞賞・特別賞)に元市教育長で宮古野鳥の会顧問の久貝勝盛さん(74)=平良=が選ばれた。久貝さんが取り組んできた学校や地域、行政を巻き込み成功させたサシバ保護活動が高く評価された。久貝さんは「連絡を頂いた時はびっくりした。今後は、サシバの保護だけでなく、自然全体の保護についても地域の人たちや行政と一緒になって取り組んでいければ」と喜びと抱負を語った。同賞は今回で3回目で、沼田眞賞の受賞は県内では久貝さんが初めて。表彰式と受賞記念シンポジウムは2月19日に東京で行われる。
シンガー・ソングライターのイルカさんをはじめ、日本の自然保護をリードするさまざまな分野の選考委員が、全国から集まった124件の応募から八つの活動を選出。日本が誇るべき自然保護と生物多様性保全に貢献する取り組みを決定した。
特別賞となる沼田眞賞は、自然保護に尽力した沼田眞博士の志を未来に伝えていくにふさわしい活動をした人に贈られる。
久貝さんは「私一人だけでもらった賞ではない。宮古野鳥の会のメンバーや地域の人たちの協力があってこその賞で、私が代表で受賞したと思っている」と話した。
「サシバの保護は成功している。今後はこれまでに蓄えた資料などを基に論文を書きたい」と抱負を話した。
宮古野鳥の会の仲地邦博会長は「地道な活動が評価されたと思う。われわれの今後の活動にも弾みがつく。サシバを通しての姉妹都市締結の話もある。久貝さんの受賞を機に、サシバの保護が全国規模に広がっていけばうれしい」と喜んだ。
久貝さんは、宮古野鳥の会を創設し、2代目会長を11年間務めた。サシバの渡りの時期には飛来数調査に参加し保護活動を展開した。
日本鳥類保護連盟の専門員に20年余従事したほか、県立博物館学芸員や市総合博物館長に在職し、数多くの鳥類の調査報告やアカハラダカの渡り発見など多くの功績を残した。
2011年には野生生物保護功労者表彰・環境大臣賞を受賞している。
沼田眞氏 生態学者として自然保護の重要性を科学的に説き、日本自然保護協会の会長として自然を守ることの大切さを訴え、日本の自然保護を国際的な水準に高めた。