下水道施設被災で図上訓練/県と市町村
大規模地震発生を想定
【那覇支社】県と下水道関係市町村は、大規模地震での下水道施設被災を想定した下水道BCP(業務継続計画)による県内初の合同図上訓練を12日、那覇市の沖縄産業支援センターで実施した。訓練には県や宮古島市など関係26市町村の担当職員約100人が参加した。
県と県内11市9町6村では、大規模地震などによる下水道施設被害の社会的影響を最小限に抑制し、従来より速やかに高いレベルで下水道の機能を維持・回復する対応計画として、効果的な下水道BCPの作成に共同で取り組んでいる。
今回の2班(2回)に分けて実施した模擬訓練では、現在作成中の下水道BCPの実効性の確認や取り組みへの向上を目的に挙げた。
県と市町村の職員が共同して、▽災害発生直後の初動実施内容や連絡の確認、▽発生後の震災関連情報への適切な対応・記録・連絡と支援要請の実施、支援隊への提供資料などの確認ーに関する図上訓練を行った。終了後は、訓練で明らかになった下水道BCPの課題や改善点などを確認した。
合同訓練に参加した宮古島市上下水道部の根間寛係長は「大変ではあったが、こういう訓練の機会があれば積極的に参加して、取り組みに生かしていきたい。今後は下水道のBCPとしてだけではなく、市自体のBCPとも連携しながら進めていきたい」と話した。
開会あいさつで、豊岡正広土木建築部統括監は「災害に強い下水道事業の執行態勢が構築されて、県内の下水道関係自治体間の連携が図られ、明日にも来るかもしれない被災時の状況をイメージしながら、実りある訓練になるよう期待したい」と職員を激励した。
※BCP(業務継続計画)とは、災害発生時のひと・モノ・情報・ライフラインなどの利用できる資源に制約がある状況下においても、適切な業務を行うことを目的とした計画。