エコブランド豚確立へ/推進協
3候補試作肉を試食/専門家「かなり良い」と評価
養豚の再生を目指す宮古地域養豚エコブランド確立推進協議会は27日、宮古家畜保健衛生所で試作豚肉の食味試験会を開いた。試作3候補と従来の豚から計12種類の肉を用意。50人のモニターが焼き肉としゃぶしゃぶを試食し、見た目、臭い、味に触れた。専門家によると試作豚肉は「かなり良い」。宮古エコブランド豚の誕生に期待が高まる。
宮古地区における1989年の豚飼養頭数は5300頭だったが現在は753頭と激減。農家戸数も52戸から11戸となり、養豚存続の危機に直面している。
この現状を踏まえ、宮古家畜保健衛生所が地域養豚再生計画に着手。昨年3月にエコブランド確立推進協議会を発足させている。
協議会構成員は食肉センターや食肉加工会社、販売業者および関係機関の代表ら。月1回の勉強会を通して知識を深め、試作豚肉に生産、肥育につなげた。
食味の試験会には、従来通り食品残さのみで肥育した豚肉と、衛生管理技術を駆使し、発育と栄養価を重視しながら養豚したエコフィード(食品残さを利用して製造した飼料)のブランド豚肉を出した。
試食している豚肉の種類を知らないモニターは、見た目と臭い、味を比べてアンケート用紙に記入。宮古の豚に合ったブランド名なども考えて書いた。
肥育管理したエコブランド豚の味を知る池田冷凍食品統括本部長の渡邉和人さんは「高いレベルを求めているため、まだ改良しなければならない部分はある」としながらも、現状の仕上がりは「良い」と評価した。
生産農家戸数の現状を踏まえると、「限定的に良い豚を作っていく方向が良いと思う」と話し、宮古豚という希少価値を高める生産環境の構築を提言した。
養豚エコブランド確立推進協は、今年度中に肉質成分分析や飼料成分分析、発育試験成績、食味試験成績の結果を基に、▽宮古ブランド肉豚規格基準▽ブランド豚飼養衛生管理基準▽ブランド豚飼料給与基準-を作成する方針だ。