キビ脱葉設備が本格始動/宮糖伊良部工場
砂糖回収率アップに期待
宮古製糖伊良部工場(池間邦雄工場長)にハーベスターで刈り取られたサトウキビ原料と葉殻などを選別するキビ原料脱葉(だつよう)処理設備が新設され27日、運転開始式が行われた。宮古製糖の安村勇社長ら関係者約40人が見守る中、重機を使って大量の原料が投入され、本格的に始動した。安村社長らは、今後の糖度回収率アップに期待を寄せた。同設備の総事業費は約2億5400万円(国・県を合わせて5割、同社が5割をそれぞれ負担)。
同設備の新設は、沖縄製糖宮古工場、宮古製糖城辺工場に次いで3カ所目。伊良部工場では1時間当たり25㌧の処理能力を有する。選別された葉殻は牛舎の敷わらとして使用され、キビほ場のたい肥として活用される。
開始式で、安村社長は「新しいキビ原料脱葉処理設備の完成により、伊良部地区のキビ振興に貢献し、宮古島の活性化を図りたい。安全安心、無事故の操業を進めていく。高い糖度と高い歩留まりを期待している」と決意を新たにした。
次いで工事を請け負ったマツオの山下健次社長が「キビ原料処理設備を新設したことで省力化と効率化が図られる。素晴らしい成績が残されることを期待する」と述べた。
来賓で参加した長濱政治副市長は「今期は天候に恵まれ、宮古製糖伊良部工場では6万3000㌧を見込んでいる。伊良部地区には今年度は農業関係の補助事業で新しい小型ハーベスターを4台入れた。その4台を合わせるとハーベスターは17台となった。新年度は新たに4台導入する予定」と述べた。
伊良部地区さとうきび生産組合の渡久山毅組合長は「より質の良い製糖づくりが期待される」と語った。
この後、参加者らは、初めての始動に安堵の表情を見せていた。