子供に感動体験の場を
平田大一さん 保護者対象に講演/県キャリアセンター主催
県文化振興会理事長で演出家の平田大一さんの講演会が4日、市中央公民館で開かれた。子共の職業選択を考える機会を提供する保護者向けの講演会で、平田さんは、子供たちに感動体験をさせることが重要だと指摘。「それは成長の過程での種まきとなり、人との出会いで芽が出る」と話し、そのような場を作ってあげることが大切だと呼び掛けた。
県キャリアセンターが主催。「子供の自信を育む・家庭と地域でできること」と題した平田さんの講演に、子育て中の保護者らが耳を傾けた。
平田さんは、竹富町小浜島で生まれ育った。賞状をもらうと父親が額縁に入れて家に飾ったことや、夜中に島中を歩き回る平田さんを、母親がいつも家の鍵を開けて待っていたこと、ほしい物を買いたい時には半分を自分が出す「2分の1自己負担」など、平田家の子育て術を数々のエピソードを交えながら紹介し、「島に育まれた。家族に見守られて育った。子供のころの経験全ては、大人になると大きな意味を持つ」と述べた。
演出の現場から、面倒見の良い人を見つけリーダーにすることを提言。「それは社会で、組織で最も必要とされる絶対条件だ」と話した上で、「人づくりをする以上に、自分づくりもすべき」とも述べ「子供たちには、常に格好良い師匠であれ」と訴えた。
「世界エイサー大会で、過去に優勝した団体に共通しているのは、基礎がしっかりしていること」と平田さん。「その基礎にプラスワンを加えると、オリジナリティーが出る。子供の成長を導くにも、このプラスワンが重要で、ちょっとした超えられるハードルを準備すること」と話した。
「文化的、芸術的な活動は、感性を身に付けることができ、それはキャリアアップの基礎になる。人と対面することに生かせる」と話した。