いす組み立てに挑戦/東小で体験講座
木材の大切さ再認識
「触」・「創」・「知」をテーマに東小学校(濱川宗和校長)の5、6年生約170人を対象にした木育(もくいく)講座「木が好きな人を育てる活動体験教室」(主催・宮古森林組合、農林中央金庫那覇支店)が9日、同校の体育館で開催された。子供たちは、宮古島産のフクギ、イヌマキ、テリハボクの3種の木材を使っていす組み立てとペン立てを製作した。会場には、金づちを打つ音が響いていた。森林が地球の温暖化を防ぐ役割や働きを学習し、森林の大切さを実感した。同講座が宮古で開催されたのは今回が初めて。
木育は、幼児期から原体験を通しての木材の関わりを深め、豊かな暮らしづくり、社会づくり・森づくりに貢献する市民の育成を目指す活動とされる。
2006年9月に「森林・林業基本計画」が閣議決定された。その計画では、児童の木材に対する親しみや文化への理解を深めるため、多様な関係者が連携・協力しながら、材料としての木材の良さやその利用の意義を学ぶ、木材利用に関する教育活動と位置付けている。
この日の講座は、木材に触れ、木材を使ったものを創り活動や地域の森林の状況や環境問題について知り、木材利用の重要性を学ぶことを通して木が好きな人を育てる活動を目的に開かれた。
主催者を代表して同組合の佐和田勝彦常務理事、同支店の野田治男支店長があいさつ。子供たちの木に対する親しみに期待を込めた。
木育授業では、同組合主任技師の上原康嗣さんが講師を務めた。
上原さんの授業のタイトルは「宮古島の森林と林業について学ぼう」。「宮古島の森林率は16・4%。沖縄全体の森林率は47%なので、16・4%は低い」と指摘した。
また「森林の働きを細かく分けると68種類あると言われている」と述べた。
その上で8種類を抜き出し▽鳥などの動物が住める▽水を貯める▽山崩れを防ぐ▽地球温暖化を防ぐ▽空気をきれいにする▽生活を守る▽木材やキノコを与えてくれる▽ウオーキングをしたりレクレーションができるーと説明した。
この後、子供たちは木製のいす組み立てとペン立てつくりに挑戦。全員が真剣表情で取り組んでいた。