キビ生産39万㌧台に/16-17年産
宮糖城辺1万8000㌧増
製糖工場 搬入量を上方修正へ
2016-17年産サトウキビの生産量が39万㌧台に達する勢いだ。当初見込み量より3万㌧以上の上乗せとなる。宮糖城辺、同多良間工場はすでに搬入量を上方修正し、同伊良部、沖糖宮古工場も近く上乗せ分を確定させる。今期サトウキビは、計50万㌧を生産した1989-90年産に次ぐ大豊作になる見通しだ。
宮糖城辺は9日の調査で14万4855㌧へ上方修正した。当初見込んだ12万6500㌧を1万8000㌧上回ることになる。
操業を開始した当初の勢いから、「13万㌧台の可能性はある」(農務部)と想定していたが、この数字をはるかに上回る生産量に現場も戸惑い気味だ。「予想外の収量」としている。
春植え、夏植え、株出しを問わず、全作型において予想以上の反収(10㌃当たりの収量)が出ている。平均値は7・7㌧。当初見込みより1㌧増えている。
増産の要因について、農務部は「気象条件が最も大きい」と話す。昨年は台風被害がなく、干ばつ被害もほとんどなかった。適度な降雨があり、生産環境は年間を通して良好だった。
これらの好条件は宮糖城辺管内に限らない。沖糖宮古管内のサトウキビも順調に生育しており、搬入量は当初の見込み量を大幅に上回りそうだ。16万㌧台の勢いがあり、1万㌧以上の上乗せが期待される。近く具体的な数字が出る。
宮糖伊良部も近日中に調査を行う。上方修正の公算が大きく、当初見込み量の6万4000㌧を上回るものとみられている。
宮糖多良間は搬入量の修正を終えており、当初比745㌧増の2万3495㌧を見込んでいる。
4工場における搬入量の見直しを踏まえた概算の地区全体生産見込み量は39万6000㌧。近年にない大豊作になる見通しだ。
一方で課題もある。カンシャワタアブラムシのまん延に伴うすす病の発生が散見しており、こういった圃場は収穫作業を急ぐ必要がある。機械刈り原料の刈り置きも懸念材料の一つ。地域によっては2~3日圃場に刈り置きする事例も見られるという。農家をはじめ原料員、オペレーター、工場の連携が求められる。