児童館の有効活用を/子どもの貧困対策
山内氏(コーディネーター)が市長に提言
県子どもの貧困対策支援コーディネーターで離島担当の山内優子氏が14日、市役所平良庁舎に下地敏彦市長と佐平博昭政策参与を訪ね宮古島市における子供の貧困対策について意見を交換するとともに、現状における課題などについて確認した。山内氏は「宮古島市には児童館が6館もある。ぜひ、貧困の子供たちの居場所として児童館を有効活用してほしい」と訴えた。
山内氏は「児童館は誰でも安心して来れる場所。貧困の子だけでなくすべての子が来て、その中に貧困の子がいるだけで色分けする必要がない。そういう意味で児童館は最適な場所」と話した。
山内氏と同席したPS・コンサルティング・システムの小林弘典代表も「子供の居場所は生活支援だが、勉強と食と愛情が一緒になって意味を持つ。子供の居場所には常に学習支援を行うような環境を整えてほしい」と要望した。
そのほか山内氏は、母子世帯の貧困率が50%といわれ、そのなかでもDV(ドメスティックバイオレンス)を受けた母は子供を連れて地域から逃げる必要があり、そのための施設設置を訴えた。
山内氏は「そのための施設として『母子生活支援施設』というのがある。親子が安心して休める場所としてその施設を市長の任期中にぜひ市に設置してほしい」と求めた。
これに対して下地市長は「母子生活支援施設に対する要望は理解したが、現在取り組んでいることをまずは進めていくことが重要。母子世帯は市営住宅でも優先的に入れるようになっている。そうした部分との兼ね合いなどもあるので、まずは今の取り組みを進めていきたい」と話した。
さらに担当課からは、下地の児童館ではおなかをすかせて昼ご飯を食べていない子供が来ることから、おにぎりを提供していることが報告され「週1回でもボランティアを集めて、食事を提供する場所として提供できればいい。児童館の職員もやる気なのでやってみたい」との意見が出された。
佐平政策参与は「私たちも取り組みの中で見えてくるものがある。これから取り組みが発展していく中で児童館を活用しながらいろいろな要望に応えるようにしていきたい」と述べた。
さらに、下地市長も「下地地区やそれ以外の児童館でもやるというのであれば支援したい。食材として必要であれば提供していきたいと思う」と話した。
最後に山内氏は「来月18日に貧困講演会を市中央公民館で開催するので多くの市民の参加を呼び掛けている。地域の皆さんの理解がないと進まない話なので、講演会で貧困問題に対する意識の高揚を図っていきたい」と意欲を示した。