宮古島さるかの里 松原代表が取り組み発表/子ども農山漁村交流セミナー
【那覇支社】子ども農山漁村交流プロジェクトセミナー(主催・沖縄総合事務局)の県内離島におけるグリーン・ツーリズム活動の事例発表が13日、那覇市の自治会館で行われ、宮古島さるかの里など離島から3団体が取り組みを発表した。
沖縄総合事務局では教育・農業関係の行政機関や体験宿泊受け入れ団体で構成する「沖縄地域子ども農山漁村交流プロジェクト推進連絡会」を設置し、児童生徒の農山漁村での宿泊体験活動を推進している。
同交流プロジェクトは、2020年度までに全国で500、県内で10の地域を農山漁村滞在型旅行を推進する「農泊地域」として創出。取り組み地域の自立的発展と所得向上を目指し、08年度から文部科学省や農林水産省など関係4省が連携して取り組んでいる。国の「明日の日本を支える観光ビジョン」に位置付けられ、14年度時点で全国162の地域で実施している。
宮古島さるかの里(松原敬子代表)は、城辺地区を中心に活動を始め、現在は宮古島全域に拡大した農家民泊が主な活動。2006年に31件の農家で大阪から260人の子どもを受け入れたのを皮切りに年々学校数が増え、今では毎年約20校から修学旅行の児童生徒6000人の民泊での農村生活体験を受け入れている。10年に宿泊施設2棟、体験施設4棟を完成させた。
同セミナーで、松原代表は「地域を大切に共存共栄を図りながら、身の丈に合った受け入れを心がけている」と述べ、受け入れのテーマを「宮古島で見つける大切なもの」とし、▽農家民泊による地元住民との交流▽農家の生活体験・郷土料理体験▽宮古島の自然や文化に触れる▽人と人とのつながりーを基本的な活動方針に掲げる。
農家民泊への取り組みの効果として、「何よりも迎える農家側が子どもたちからパワーをもらい、充実感や達成感があり、社会参加の少ないお母さんや高齢者のやる気や生き甲斐にもつながっている」と強調し、「農村部の活性化になり、経済効果も大きく雇用効果もある」と報告した。