実証事業を海宝館で/天然ガス事業化推進検討委
利活用実施計画案を確認
宮古島市天然ガス資源事業化推進検討委員会(委員長・長濱政治副市長)の2016年度第3回が15日、市役所平良庁舎で開かれ、16年度事業の報告と今後の利活用実施計画案の説明などが行われた。実施計画案では天然ガス試掘井戸から採取されるガスや温泉水を17、18年度は城辺保良の宮古島海宝館で利活用する実証事業を進め、18年度に採掘権を取得し19年度から事業化させ、21年度からは市内全域を対象とする広域展開事業に取り組むことを確認した。
宮古島では城辺保良で天然ガスの試掘が行われていて、これまでに井戸の能力調査や環境影響調査、具体的な利活用方の検討などが行われてきた。試掘権が年度までとなることから、事業化を実現させるためにはそれまでに実証実験を行い、具体的な利活用方法を明らかにすることで採掘権を取得することが必要となる。
17、18年度の実施計画案では、実証事業を試掘井戸に近い海宝館に集約し、足湯施設の整備や天然ガスでの発電、熱を農業に利用する小規模実証などを行うことで、18年度での採掘権取得を目指す。採掘権が取得できれば19、20年度で実証を事業として稼働させながら、新たな場所での天然ガス井戸掘削も含めた宮古島全域を対象とした広域展開の利活用案を21年度からの5カ年計画として取りまとめる。
委員会では事務局が実施計画案などを説明。年度での採掘権取得が最重要課題との認識を示し、そのためには試掘井戸が十分に使われる仕組みづくりを海宝館で集中して行うことが必要と指摘。広域展開の利活用案を策定する際にはクルーズ船で来島する外国人観光客をターゲットとした事業も検討すべきとの考えを示した。
保良の試掘井戸から採取した温泉水で県外企業に実証試験を行ってもらった結果、魚介類の陸上養殖に利用できることが分かったことなども報告された。