「普通の生活送りたい」/子宮頸がんワクチン副反応勉強会
北九州の親子が窮状訴え
子宮頸がんワクチンの副反応に関する勉強会が24日午後、県宮古合同庁舎で開かれた。副反応の症状に苦しむ福岡県北九州市の梅本美有さんは「私は、みんなと同じように普通の生活を送りたいだけ」と声を振り絞った。支援活動に奔走する母の邦子さんは「裁判の原告63人のうち、ほとんどが未成年者です。そんな子供たちが原告になって闘わなければならない現状がある」と窮状を訴えた。
勉強会は、宮古島子宮頸がんワクチン副反応被害者を支える会が主催。情報の共有を図るため、副反応被害を訴えた九州原告団の梅本さん親子を招いた。
共同代表の伊志嶺広勝さんは「副反応に苦しむ少女たちが1日も早く普通の生活が送れるよう支援のあり方を考えたい」と述べた。
勉強会で美有さんは、ワクチンを接種した後、左足付け根の痛みに始まり、湿疹、目の奥の痛み、まぶたのけいれん、倦怠感、頭痛を伴う激しい生理痛などさまざまな症状に襲われたことを赤裸々に語った。
学校の体育の授業に出られなかったこと、修学旅行に行けなかったこと、保育士の夢をあきらめようとしていること。「周りの友人は自分の進みたい道に進んで毎日が充実している。私はこの体のせいで自分の夢をあきらめ、毎日つらい症状に悩まされている」と苦しい胸の内を語った。
今も痛みに悩まされる毎日だといい、「治療法がないために、元の体に戻れるという希望が持てない」と悔しがった。「今の状況を何とかしたいと思って裁判に踏み切った。私の願いは以前のように健康な体を取り戻したいだけ。みんなと同じように、普通の生活を送りたいだけなんです」と話し、国や製薬企業に誠意ある対応を求めた。
母の邦子さんは支援する立場から話を進めた。望みは▽病態の解明と治療法の確立▽子供たちの成長に合わせた支援▽恒久的支援の必要性-などを挙げた。
邦子さんは「普通の生活を送る。ただそれだけなんです」と声を強めた。「多くの子供がマスコミに顔をさらして訴えている。責任ある私たち大人が現状を深く理解し、危機感を持って動かなければならないのではないでしょうか。1日も早い健康被害の解決を目指して」と締めくくった。