活気あふれる島づくりへ/下地市長が17年度施政方針
男女活躍社会など示す/陸自配備「防衛省に説明求める」
下地敏彦市長は2日に開会した宮古島市議会(棚原芳樹議長)3月定例会で、2017年度の施政方針を表明した。3期目就任後初の定例会で施政方針を示した下地市長は「託された4年間の任期を『躍動・元気・活気あふれる島づくり』に全力で取り組む」と決意。▽男女共同活躍社会の実現▽生きる力を育み次代につなげる人づくりの推進▽市民一人一人が安心して暮らせる福祉の充実-など、市政運営に当たっての基本的な考え方を強調した。昨年6月に、宮古島への陸上自衛隊配備を了解したことを改めて示した上で「市民の生命、財産、平和と安全を守るため、引き続き地域住民をはじめ市民に対し、配備計画の丁寧な説明を防衛省に求めていく」と述べた。
17年度の重点施策は、教育、子育て支援の分野では問題を抱える児童生徒の自立支援を促すためのスクールソーシャルワーカーの配置や、伊良部地区小中一貫校「結の橋学園」の整備に着手するほか、専門学校などの高等教育機関の設置の実現に取り組む。また、給食費の半額を助成し、保護者負担の軽減を図る。
医療・福祉の分野では、子供医療費の窓口無料化を開始。これにより、健康保険適用分の医療費の自己負担額を、病院窓口で支払う必要がなくなる。
さらには、子宮頸がん予防ワクチン接種の副反応の疑いのある人への渡航費・医療費、特定不妊治療及び難病患者などについての渡航費の助成をそれぞれ実施する。
農業振興については城辺、下地、上野、伊良部の各地区で土地改良事業や畑地かんがい施設整備を実施するほか、サトウキビについては野ネズミからの被害軽減を図るため航空防除を再開する。また、農家の高齢化に伴う労働力不足に対処するため、ハーベスターの導入を促進する。
観光については、海外からのクルーズ船の寄港や本土との直行便の就航などに対応するため、主要観光地への情報通信環境(ワイファイ)の整備を進める。
平良港が国際クルーズ拠点を形成する港湾に選定されたことを踏まえ、大型クルーズ船の寄港に対応したバースや受入施設の整備に取り組む。
下地島空港の利活用については、空港ターミナル整備が事業提案されていることから、実現に向け関係機関と協力・連携を図る。
市の振興発展の基盤となるプロジェクト事業の推進については、未来創造センターの供用開始(2018年12月)に向けて取り組むと強調。博物館については「具体的な方向性を取りまとめる基本構想と基本計画の策定に着手する」と述べ、総合庁舎の建設については、合併特例債の活用期限である2020年の完成に向け議論を進めるとした。