パーントゥなど提案決定/ユネスコ無形文化遺産
10行事を「来訪神」として/文化庁
文化庁は2日、「宮古島のパーントゥ」(島尻、野原)をはじめ、神などの姿をした者が現れる国指定重要無形民俗文化財行事10件を「来訪神:仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産登録に再提案することを決めたと発表した。今月末にユネスコ事務局へ提案書が提出され、2018年秋にユネスコ政府間委員会で審議が行われる予定となっている。
今回、提案が決まったのは、仮面や仮装などの異形の姿をした者が「来訪神」として家々を訪れ、怠け者を戒めたり人々に幸や福をもたらしたりする10行事。
文化庁は提案理由として、「来訪神」行事は伝承されている各地域で時代を超え、世代から世代へと受け継がれてきた年中行事であり、それぞれの地域コミュニティーでは「来訪神」行事を通じて地域の結びつきや世代を超えた人々の対話と交流が深められていることなどを挙げている。
「来訪神」行事ではこれまでに鹿児島県薩摩川内市の「甑(こしき)島のトシドン」が年にユネスコ無形文化遺産に登録。年には秋田県男鹿市の「男鹿のナマハゲ」を提案したが、「甑島のトシドン」との類似性を指摘されたことから、「甑島のトシドン」を拡張し「男鹿のナマハゲ」を含む国指定重要無形民俗文化財を「来訪神:仮面・仮装の神々」とグループ化して年に提案した。しかし、ユネスコの審査件数上限を上回る提案があったため、登録件数が世界第2位の日本の審査が先送りされていた。
提案することが決まった10行事は次の通り。
宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)▽甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)▽男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)▽能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)▽遊佐の小正月行事(山形県遊佐町)▽米川の水かぶり(宮城県登米市)▽見島のカセドリ(佐賀県佐賀市)▽吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)▽薩摩硫黄島のメンドン(鹿児島県三島村)▽悪石島のボゼ(鹿児島県十島村)