空き家市内で500件/宮古島市が調査
200件は倒壊の可能性/新年度に法定協議会設置へ
宮古島市が1000万円の予算で今年度実施した空き家調査で、市内の空き家件数は約500件となっていることがわかった。そのうち放置すると倒壊など保安状の危険がある「特定空き家」を200件と予想している。市では現在、調査結果と内容の分析を行っており、年度内にまとめる。2017年度には、市の担当や専門家などで構成される法定協議会を発足させて「特定空き家」の指定など、対策を講じる。
市建設部建築課よると、今回の調査は市内全域で行い、そのうち空き家候補として637件を抽出。さらにアンケートや実態調査を踏まえて約500件に絞り込んだ。そのうちの約200件が「特定空き家」の可能性があるとしている
今年度の空き家実態調査では▽空き家所在の把握▽所有者等の意向調査及び分析▽実態調査の報告書作成▽空き家台帳の作成-を実施している。
17年度は、市、県、国の担当や建築家、弁護士などの専門家で構成する法定協議会を設置し、空き家対策計画を策定するとしている。
さらに、「特定空き家」の撤去を促進するため市では、18年度中に住宅用地にかかる固定資産税の特例措置を見直し条例化も目指している。
下地康教建設部長は「今回の実態調査を踏まえて今後は法律に基づいて『特定空き家』を指定していく。指定された物件の所有者にはその旨を伝えて処分を求める。それでも処分ができない場合は行政代執行ができるので空き家問題を解決していきたい」と話した。
そのほかにも、空き家の現状を把握することで、所有者に対して現状の空き家をどう利用するのか提案していくこともできるとしている。
この取り組みは、2014年5月に施行された空き家対策特別措置法により、危険な空き家の所有者に市町村が修繕などを勧告し、最終的に行政代執行で強制撤去できる制度が整ったことを受けて進めている。