「元気村」実現へ決意/多良間村・伊良皆村長が施政方針
農業振興策に力点/人口減歯止めへ全力傾注も
【多良間】伊良皆光夫村長は10日に開会した多良間村議会(森山実夫議長)3月定例会で、2017年度の施政方針を表明した。伊良皆村長は「時代に息吹く村づくり」を挙げ「全ての村民が将来にわたり夢と希望を持ち、共に助け合いながら元気で幸せに暮らし続けることのできる『村民起点のガンジュー(元気)村』の実現に全力で取り組む」と決意。農業振興や人材育成、介護・地域医療の充実など、施政運営に当たっての基本的な考え方を強調した。人口減少については「一人一人が真剣に取り組むことで難局を乗り越えていける。その覚悟が今求められている」と村民に呼び掛けた。
伊良皆村長はまず、17年度の主要施策で「農業の発展なくして村の発展はない」と指摘。最も長い時間を割いて農業を含む産業振興策を訴えた。
柱となるサトウキビ作については▽高齢化に対応した機械化の推進▽病害虫防除▽適期作付け▽肥培管理-の徹底で、単収アップを図ると述べた。
畜産については「高値相場は当分続く」と予想しているものの、後継者不足や飼養頭数の減少など懸念材料もあるとし「行政として増頭ができる環境整備を進めていく」と語った。
観光振興策として、体験や交流、特産品販売、地元産食の提供などの施設整備計画を示し、島の拠点施設としての活用に期待した。
人材育成については、未来を担う子供たちの健全育成を最優先に掲げ、目標達成に向かって挑戦する勇気や強い精神力を育てることが大切だとして地域の大人たちへ協力を促した。
子育て支援策としては▽学校給食費の無料化▽各種検定の全額補助▽幼稚園入園料や保育料の無料化▽村営塾の開設-など。子供の貧困問題については「連鎖を断ち切る施策を進める」と強調した。
伊良皆村長は、少子高齢化による人口減少を「地域コミュニティーの崩壊を招くだけでなく、地域の経済全般に負のインパクトをもたらす深刻な問題」だと懸念。離島ゆえの人口減少の要因を挙げた上で、改善策として①就職し家族を形成して子供を産み育てる環境の構築②住み続けられる住宅などの環境整備③教育・子育て支援や医療などの充実-の具体策を示した。
「人口減少を食い止めるには、村民全体で取り組まなければならない」と呼び掛けた。