観光プロモーション事業 直接的な関与否定/第10回百条委
埼玉の2社代表を尋問/文書の日付で新たな証言
市の観光プロモーション事業に関する市議会の調査特別委員会(百条委員会、濱元雅浩委員長)は16日、第10回委員会を市役所平良庁舎で開いた。同事業を受注した「宮古島まちづくり研究会」が市に紹介したとされる埼玉県の企業(2社)の代表者に対する尋問が行われた。2社の代表は、同研究会の事務局長と以前から関わりがあったことを認めるも、同事業に対する直接的な関与は否定した。文書の日付をめぐる新たな証言を受け、当局側が動揺する場面もあった。
これまで解明されなかった事実として、2社とも提出を否定している書類が、なぜ市に存在しているかということだった。
これに対して、2社の代表とも同研究会の当時の事務局長と以前から面識があり、この人物とのやり取りの中で市に書類が存在していることがわかった。
A社の代表によると、2014年の7月1か2日に、この事務局長が事務所に訪れ、社の印鑑を借りて書類に押印したことを認めた。
この社の代表は「15年以上前からの古い客で、『協力業者になってほしい』との打診だったので応じた。社の印鑑を渡してしまったことは経営者として反省しているが、このような内容なら絶対に渡すことはなかった」と述べた。
そのほかにも、「当時は『数カ所押印する箇所があるから自分に印鑑を渡してほしい』とのことだった。さらに、『時間がない』といって住所、名前、連絡先、業種等をこの事務局長が記載すると言っていたことははっきり記憶している」と話した。
さらに、A社の事務所でこの事務局長が印鑑を押したのは7月のみなのに対して、市に存在する同社の印鑑が押された「見積書」の受付印が「5月23日」となっていることに一番驚いたという。
「私が事務所で印鑑を渡したのは7月の1か2日だったと記憶している。間違いなく5月ではない。なぜ、この市の受付印が5月になっているのかが一番の疑問」と話した。
この指摘について、当時の市の担当者に委員が見解を求めたところ、当局側はあいまいな答弁に終始した。
結局、委員の追及を受けた当局側は、14年5月の時点でA社の見積書を含む3社の見積書が手元に存在し、それを元に予算化などの作業を進めたとの主張になった。
これにより、A社の主張と当局側の主張は明確に食い違う状況となっている。
一方で、B社の代表もこの事務局長と以前から知り合いで、お台場のイベントに対する協力依頼があったことを認めた。
B社の代表は「その際に見積的なものがほしいとのことだったが、当時のことは良く覚えていない」と述べた。
市に存在するB社からの見積書と手書きの辞退届については「作った記憶はない」と主張。一方で書類にB社の印鑑が押されていることについては「作成はしていないが、印鑑は押したかもしれない」との見解を示した。
疑惑が深まるこの問題については、同研究会の当時の事務局長が多くの役割を担っていたことが、これまでの証言でわかってきた。
カギを握るこの事務局長は、今回の委員会への出頭の求めにも応じておらず、いまだに連絡が付かない状況のままとなっている。
次回の委員会は22日を予定している。