市議会「道義的責任を」 石嶺氏「決議は不当だ」/議員辞職勧告決議
宮古島市議会は21日、石嶺香織氏に対する議員辞職勧告決議を賛成多数で採択した。提出者の佐久本洋介氏は「政治的道義的責任を明らかにするために、議員辞職を」と迫ったが、石嶺氏は「決議は不当」とこれを拒否した。採択に法的拘束力はない。石嶺氏は議員活動の継続を表明した。
午前10時に開会。佐久本氏が決議文を読み上げ、質疑、討論があった。
上里樹氏、新城元吉氏は反対の立場から自身の考えを表明した。上里氏は「議場外で起きたことで、本人は謝罪もしている」として辞職勧告のあり方を疑問視した。新城氏は、「言論の自由は検討したのか」と決議案に疑義を唱えた。
これに佐久本氏は「議場外ならどういう発言をしても許されるのか。議会の品位の問題だ」と反論。新城氏が言論の自由に関して回答を求めると、「言論の自由というが、何を言ってもいいのか。それはおかしいと思う」と声を荒げた。
討論で上里氏は、「市議会は言論の府だ。議員辞職勧告については慎重の上に慎重を期すべきだ」として反対の立場を表明した。
嵩原弘氏は賛成の立場から意見を述べ、「出席議員の4分の3以上が賛成をしているんだ。このことを重く受け止め、法的拘束力はないが、(石嶺氏に)猛省を求める」と強調した。
石嶺氏にも弁明の機会が与えられた。傍聴席では複数の支持者が発言内容に聞き入った。激励の声や拍手を送り、一時議長に制止される場面もあった。
石嶺氏は決議後、報道陣の質問に答えた。弁明中に声を詰まらせた理由を問うと「発言に対して謝罪するのは納得している」とした上で「辞職勧告されるという事象に憤りを感じた。犯罪とか違法なことをしたら別だが、思想や信条について多数決で排除されると議会制民主主義が問われてくると思う」と述べた。
一方、決議提出者の佐久本氏は「議員の中からこのまま放っておけないという意見があり、辞職勧告の形になった。議会として、それだけ重く考えているということだ」と決議に至った経緯を説明した。石嶺氏の弁明に対しては「反省がないと思う」と指摘した。