濱元委員長「法律に抵触」/百条委終了で見解
「時効」にらみ判断
多くの疑惑が浮上している市の観光プロモーション事業に関する市議会の調査特別委員会(百条委員会)の濱元雅浩委員長と高吉幸光副委員長が27日、市役所平良庁舎で会見を開き、同委員会の報告書に盛り込まれた内容についての説明と、市議会3月定例会最終本会議で厳正な捜査を求める決議が否決されたことについて見解を述べた。
今回で委員会の審査を終了するとの判断に至った理由について、濱元委員長は「この問題で、業者間談合や官製談合について法律に抵触するとなった場合でも、今年の9月には3年が経過し時効を迎えてしまう。中心的役割を担った宮古島まちづくり研究会の当時の事務局長がこのまま尋問に応じてもらわなければ時間だけが過ぎる。早めに結論を出すことによって、次の展開になることも判断になったと思う」と述べた。
高吉副委員長も「時効との勝負という感じもあったので、今回の判断で早めに動ける人は動けることになると思った」と説明した。
そのほかにも、濱元委員長は「これまでは議会としての調査だったが、今後は司法や警察なりの捜査という形になればまだまだ見えていない部分もしっかりと表に出すことができる。次の段階に進むことがこの事業を明らかにする手法だと感じている」との見解を示した。
同事業に対しては「市の事業において公正な取引が阻害されており、高い確率で法律に抵触すると思う。その明確な証拠までは提出できていないが心情としては(一連の行政手法は)だめだと思う」と述べた。
この問題について、今後も事実の究明に向けて取り組むべきかの質問には両氏とも「そうあるべき」と答えた。
この日の本会議で捜査を求める決議が賛成少数で否決されたことについて濱元委員長は「できれば議会の意思として捜査を要請することになってほしかった。否決とはなったが、今後も事象を明らかにしていくことは大切。今回の報告書と議事録は今後の大切な資料になると思う」と話した。
事実究明の必要性は強調しながらも、同決議には反対の姿勢を示した高吉副委員長は「この判断の説明は難しい。賛成したいとの思いで調整したが組織の和を乱すわけにはいかなかった。会派として出した結論であり自分としては残念な部分ではある」と述べた。