子どもの未来基金に500万円/JTA
児童生徒の学習支援へ
【那覇支社】日本トランスオーシャン航空(JTA)の丸川潔社長と金城清典取締役は31日、県庁に翁長雄志知事を訪ね、官民一体で貧困解消を目指す「沖縄子どもの未来県民会議」の「沖縄子どもの未来基金」に500万円を寄付した。
JTAでは、今年7月1日に創立50周年の節目を迎えるのを機会に、県民への感謝の意を込めて今回の寄付となった。
贈呈式で丸川社長は「沖縄の地元の皆さんに育ててもらったとの思いから、お返しをしたい。沖縄の子どもの3人に1人が貧困状態にあると聞き、胸を痛めている。沖縄の未来を担う子どもたちが、地域の宝として安心して成長し、公平に学ぶ機会が得られるよう役立ててほしい」と話し、同県民会議会長の翁長知事に目録を手渡した。
翁長知事は「沖縄の現状をしっかり把握して、みんなが等しく教育が受けられるよう思いを込めた寄付に対し、心から敬意を表し感謝したい。厳しい状況にある子どもたちが、平等に自分の能力を発揮して、伸びていく沖縄を支えていけるよう大切に有意義に使っていきたい」と述べた。
また、丸川社長は「子どもの居場所学生ボランティアセンター」を運営する大学コンソーシアム沖縄の大城肇副代表理事(琉球大学長)に200万円の寄付と航空チケット(300万円相当)を贈呈した。
大城肇副代表理事は「多額の寄付に、厚く感謝する。子どもの貧困の負の連鎖を断ち切り、心豊かで互いが助け合う社会の実現を目指したい。離島の子どもたちの居場所へ学生を派遣する際に、有効に活用したい」と話した。
県内の大学や短大、高専など11の高等教育機関で組織するコンソーシアム沖縄は、2016年4月に同センターを設立。経済的に厳しい家庭環境にある児童生徒を対象にした、学習支援や生活指導などで学生ボランティアを派遣している。
子どもの未来基金への寄付総額は、今回で約5000万円(51社、18個人)となった。今春、児童養護施設などを退所する児童生徒を対象とした給付型奨学金などに活用する。コンソーシアム沖縄では、今回の寄付金を含め総額2451万円となり、派遣する学生ボランティアへの謝礼として活用される。