児相宮古分室 あす始動
虐待防止へ 5人態勢
虐待事案に対応する県中央児童相談所宮古分室が3日、業務を開始する。県宮古福祉事務所内に設置されており、職員5人態勢で業務に当たる。福祉事務所の野原勝所長が室長を兼任する。市や児童家庭支援センターとも連携し、子の見守り態勢を強化する。
分室設置に伴い、虐待に遭っている子を強制保護できる支援態勢が整う。事案が深刻化する前に手を打てるため、最悪の事態を回避することができる。
所管する県子ども生活福祉部青少年子ども家庭課によると、分室には正規の職員1人と、分室長ほか兼任職員3人を配置。非常勤の職員1人が虐待対応協力員として業務に当たる。
虐待を受けている児童を保護したり、虐待が疑われる家庭を訪問したりして子供たちの安全を守る。
日中の対応時間は平日の午前8時30分から午後5時15分まで。それ以外の時間帯は虐待ホットラインに転送されるため、事実上24時間態勢で虐待事案に対応できる仕組みが整う。
分室は、3日から業務を開始する。電話番号は0980・75・6505。始業時から受け付ける。
宮古分室設置の機運は2015年7月の女児虐待死事件を受けて高まった。事件と行政の対応を検証した第3者委員会は「最悪の結果を招いた」と指摘。関係機関の情報共有や連携、分室の設置を促していた。
虐待は全国的に増加傾向にある。救済機関の周知に伴う事案の掘り起こしを考慮しても伸び率は高い。
市児童家庭課のまとめで15年度に宮古島市で確認された虐待件数は36件。このうち親の保護の怠慢・拒否といったネグレクトが最も多く15件あった。身体的虐待は11件、暴言や差別などを対象とする心理的な虐待も8件あった。