伝統工芸製品検査員/長濱さん(宮古上布検査所)に辞令
【那覇支社】2017年度の県伝統工芸製品検査員辞令交付式が10日、県庁で行われ、宮古上布検査所の長濱政子さん(61)=上野野原=ら10人に屋比久盛敏商工労働部長(代理・伊集直哉産業雇用統括監)が辞令を手渡した。任期は今月1日から来年3月31日までの1年間。
伊集統括監は辞令を交付して、「これまでの経験を基に厳正な検査に取り組み、染織物技術の維持・向上や後継者育成に尽力してほしい」と激励した。
同検査制度は宮古上布や芭蕉布、琉球絣など20種類の県内染織製品の品質を維持、向上すると共に、工業製品や類似品との差別化を図ることにより、工芸産業の振興に寄与する目的で1974年から実施している。検査員は宮古を含む県内9カ所の検査所に所属し、品質検査や事業所への立ち入り調査、技術指導などを行う。
交付式を終えて、今年新たに任命された長濱さんは「責任のある仕事なので緊張感を持って取り組みたい。素晴らしい商品を自信を持ってお客さんに出せるように、検査基準に基づいてしっかりやっていきたい」と抱負を話した。
県商工労働部ものづくり振興課によると、1月に「南風原花織」が国指定の伝統的工芸品に指定された結果、県の伝統的工芸品は15品目で全国で4位。うち宮古上布など染織物が13品目を占め、全国でも1位となった。
宮古上布検査所での着尺と帯の検査件数実績は、06・08年度の27件をピークに02年度から2桁台で推移。13年度に6件と激減し、14年度で10件に増加したものの、15年度は7件に減少した。