農地仲介面積35・7㌶/中間管理事業
有効利用で着実な成果
農地の貸し借りを仲介する県農業振興公社の農地中間管理事業で、宮古島市内の借り受けおよび貸付面積が35・7㌶に達していることが分かった。県内自治体では石垣市に次いで2番目に大きい面積となる。実施3年目を迎えている農地中間管理事業の浸透を裏付けた。13日午後、同公社の崎原盛光専務理事が下地敏彦市長に報告した。
農地中間管理事業は、農地の集積・集約化を図って担い手に貸し付け、農地の有効活用を促進することが大きな狙い。管理機構が農地を借り受け、集約化して受け手(担い手)へ貸し付けている。2014年度から実施されている。
14~15年度は事業内容が浸透せず、「ほとんど実績を上げられなかった」(崎原専務理事)という。その言葉通り、借受面積は県全体で108㌶、貸し付けは15㌶と振るわなかった。
しかし、事業3年目の16年度は借り受け、貸し付け面積とも急伸。事業概要の浸透と、管理機構への農家の信頼向上などもあって実績が一気に上がった。
16年度末までの県全体の累計実績(速報値)は、439人から252㌶を借り受け、このうち203㌶を226人に貸し付けた。仲介役としての事業成果が着実に表れ始めている。
宮古島市の実績をみてみると、14年度は1農家から0・5㌶の借受のみ。貸し付けは実施していない。15年度は7人から6・5㌶を借り受けたが、貸付面積はわずか1・3㌶(貸付人数は3人)にとどまった。
この実績が16年度は一気に伸び、29人から28・7㌶を借り受け、34・5㌶を35人に貸し付けている。この結果、3年間の累計では借り受け、貸付面積とも30㌶を超える実績となった。
市長表敬で崎原専務理事は「農家の信用を得るのに時間はかかったがようやく成果が出た」と話した。その上で「宮古島市の実績がすごい。駐在員をはじめ農政課や農業委員会等の連携なくてはできなかった。この事業は宮古で一番うまく機能している」と述べ、理解と協力に感謝した。
実績報告を受け下地市長は「若い人が農地の確保に苦労している。有効利用をすることで生産振興につながる」と述べ、一層の事業成果に期待を込めた。