運転免許証自主返納制度 新たに4企業が調印/宮古島署、安協
高齢者運転免許証返納メリット制度の3回目の締結式が13日、宮古島署(大城辰男署長)で行われた。宮古給油所、東和(ロータス東和)、のむら(レストランのむら、ファミリーレストランばっしらいん)と野津商事(東京靴流通センター)の4企業が、宮古島署と宮古島地区交通安全協会(新里孝行会長)と覚書を締結した。今回の締結でメリット制度締結は合わせて八つの企業、団体となった。
いずれも、運転免許証を自主返納した高齢者(65歳以上)で、運転経歴証明書を返納時に取得している高齢者が対象になる。この日覚書を締結した4企業のうち3企業のメリット制度は来月1日から実施される。覚書は宮古島署、交通安全協会(安協)とそれぞれの企業間で締結された。
宮古給油所は給油前に運転経歴証明書を提示すると、同乗している運転者の給油で1㍑当たり、店頭価格より8円の値引きの「ゆい割価格」で購入できる。自主返納者ではなく、その家族など周辺の人たちがメリット制度を享受できる形は、この覚書が初となる。
東和はシニアカー購入時の割引や、そのシニアカーの訪問無料点検、のむらは、運転経歴証明書を持つ高齢者の飲食代金を10%割り引く。また野津商事は、東京靴流通センター宮古島店での靴購入時に店頭販売価格から10%割り引く。
締結式で大城署長は「今はメリットがクローズアップされているが、高齢者の運転のデメリットもある」と述べ「祖父が免許証を自主返納したことで、孫や家族が安心した。人生を事故で終わらせたくないという孫の思いがある」と新聞に投稿された記事を示し「本人はもとより、家族の安心のためにも、自主返納を考えてほしい」と話した。
新里会長は「免許証を返納すると、動きにくくなるなどの理由から、返納を躊躇する高齢者の人もいる。皆さんの趣旨への賛同で、これまで以上に高齢者の免許証の自主返納が進むことを期待したい」と述べた。
宮古島署と安協は、交通事故に占める、高齢者の割合が多いことから、高齢者が運転免許証自主返納をしやすい環境づくりに、各企業や団体の協力を得て、返納者へのメリット制度の普及・拡充に取り組んでいる。