最新巡視船2隻就役/宮古島海上保安部
尖閣海域警備強化へ/長山港船艇用品庫完成祝う
宮古島海上保安部(久留利彦部長)の規制能力強化型巡視船「くりま」と「おおがみ」の就役式と、長山港船艇用品庫完成披露式が14日、伊良部島長山港の同用品庫で行われ、約60人の来賓が参加し、就役と用品庫完成を祝した。就役した両巡視船の船長はじめ幹部乗組員も紹介された。
久留部長は「尖閣諸島の状況は一層厳しさを増している。このような状況を踏まえ、宮古島海上保安部は引き続き、関係機関、地域の皆さんと連携し、全ての人々が安心して海と関わり、その恩恵を受けることができるよう、全身全霊で取り組んでいく」と式辞を述べた。
第11管区海上保安本部の宮崎一巳本部長は「宮古島海上保安部には、尖閣諸島周辺海域の領海警備はもとより、地域の皆さん、旅行者にとり、安全で安心できる海の確保にまい進するよう改めて指示している。配備された規制能力強化型巡視船3隻と長山港船艇用品庫の施設能力をフル活用し、必ずや期待に応えてくれると確信している」とあいさつした。
長濱政治副市長が下地敏彦市長の祝辞を代読、海上保安協会宮古支部の新垣盛雄支部長が祝辞を述べた。
また、就役した2隻の巡視船「くりま」と「おおがみ」の幹部乗組員を代表して、「くりま」の宮田英二郎船長が「規制能力強化型巡視船3隻は、尖閣諸島周辺海域の外国漁船取り締まりを主軸として任務を遂行している。我が国領海内において、外国漁船による違法操業は絶対にさせない。覚悟と自信と誇りを持ち、21世紀の防人(さきもり)としての使命を全うする」と決意を述べた。
式典後、参加者は長山港に停泊中の「くりま」と「おおがみ」の船内を見学した。
昨年11月に就航した規制能力強化型巡視船「しもじ」と、この日就役式を迎えた「くりま」「おおがみ」は、いずれも総トン数約200㌧。長さ43㍍で、遠隔監視採証装置や停船命令等表示装置などを装備している。船体も従来の180㌧級の巡視船よりも強化されている。
長山港船艇用品庫は2016年8月に起工し、今年3月に完成。総工費は約2億7800万円。敷地面積は約1200平方㍍で、延べ床面積は1112・65平方㍍。
同用品庫1階には、船艇用のロープやフェンダー、生活消耗品などを保管する倉庫のほか、男女シャワー室、検視室がある。2階は武道場兼会議室2室のほか、大小の会議室が備わっている。