用水路改修の拠点開設/土地改良総合事務所
宮古支所の看板を設置/水利施設の重要性共有
今月3日付で開設された土地改良総合事務所宮古支所(飯田稔支所長)の開所式が17日午後、所在地の平良港ターミナルビルで開かれた。同支所は国営事業で造成された用水路改修工事の実施機関。2020年度にかけて総延長6・4㌔の用水路を改修する。開所式および祝賀会には多数の関係者が出席。基幹的水利施設の重要性を再認識するとともに、用水路改修工事の早期着工に期待を寄せた。
宮古地区の基幹的農業水利施設は国営宮古土地改良事業(1987~2000年度)で造成されたが、用水路においてはパイプラインの破損による漏水事故などが多発している。
これにより、農業用水の安定供給に支障を来しているほか、道路の陥没や冠水によって一般交通が遮断されるなど地域社会にも影響を及ぼしている。
この現状を踏まえて沖縄総合事務局が改修工事を事業化。国営施設応急対策事業宮古地区を20年度にかけて実施する。総事業費は13億円。985㌶の農地で用水路の改修に当たる。
実施機関となる宮古支所の事務所は平良港ターミナルビル3階に設置した。
開所式で、沖縄総合事務局農林水産部の遠藤順也部長は「パイプラインの破損による漏水事故等の不測の事態が頻繁に発生し、農業用水の安定供給に支障を来しており、これらの施設の維持管理にも多大な費用と労力を要している」と現状を指摘した。その上で「このような課題に迅速に対応するため、パイプラインの破損等に対して応急対策工事を実施する」と述べた。
また、「農業にとって最も重要なインフラとなる水利施設の整備および関連施策を積極的に進め、地域特性を生かした力強い農業の実現に取り組んでいく」などと決意を語った。
県農林水産部の島尻勝広部長は「(当該事業は)農業用水の安定供給を図るものだ。この事業の実施は、宮古島の特色を生かした農業のさらなる発展と向上に寄与する」と期待した。
宮古島市の下地敏彦市長は「国営で造成されたパイプラインは大動脈だ。宮古島の農業の生命線といっても過言ではない」と水利施設の重要性を強調。「私たち地元としては、最大限の協力をしていきたい。早急な工事の着工をよろしくお願いしたい」と述べた。
開所式の後、遠藤農林水産部長ら関係者が宮古支所の看板を設置。事務所の内覧も行われた。
引き続きJTAドーム宮古島で祝賀会を開催。関係者が集まり、宮古支所の開設を盛大に祝った。