伊良部でホテル建設へ/森トラスト
市景観審で計画了承/夏ごろの着工目指す
全国で不動産開発やホテル事業などを展開する森トラスト(東京都、伊達美和子社長)が伊良部島で進めるリゾートホテル計画についての市景観審議会が18日、市役所下地庁舎で行われた。この日は同審議会に対して市から計画案が諮問され、審議会のメンバーは現地視察などを行い、森トラスト側の説明を受けた上で同計画を了承した。今年夏ごろにも工事着工を予定し、18年後半か19年の前半ごろの完成を目指している。
ホテルの建設予定地は、伊良部字伊良部の渡口の浜に近い海岸地域景観ゾーンで、客室数は58室。建築面積は1762平方㍍。延床面積は5420平方㍍で、地上4階建てとなっている。
ホテル開発について、森トラスト側は「同地区は伊良部大橋の開通や下地島空港の利活用計画などポテンシャルの高いリゾートエリアであり、私たちがこれまで培ったノウハウを最大限に発揮して、市の観光産業の発展に寄与する『国際基準ラグジュアリーホテル』の実現を目指す」としている。
同ホテル計画を巡るこれまでの経緯は、景観アドバイザーの池田孝之氏(沖縄の風景を愛さする会理事長)による指導、助言など5回の修正を経て、この日の審議会に諮問された。
景観への配慮については、高低差のある地形を生かしてできるだけ低い位置に建物を配置し、一部を分棟化することで圧迫感をできる限り低減するほか、郷土種を主体とする植栽と既存植生を生かして敷地内を緑化し、現況の風景にできる限り、なじむように配慮したことなどが説明された。
了承された計画については週明けにも下地敏彦市長に答申され、今月下旬には森トラスト側に結果が通知される。
また、この日は同審議会の委員に対する委嘱状の交付も行われ、新たに加わった池田氏と、砂川玄正氏(市文化財審議委員会委員長)、新里政作氏(宮古青年会議所理事長)、宜保金蔵氏(宮古地区調査測量設計業協会長)、金城利一氏(県土木事務所建築班長)に委嘱状が交付され、審議会の会長には池田氏が就任した。