上里さんら3農家表彰/県さとうきび競作会
【那覇支社】県糖業振興協会(嵩原安伸理事長)の第41回県さとうきび競作会表彰式が20日、那覇市の沖縄産業支援センターで行われ、宮古地区から「農家の部」の奨励農家で上里豊一さん(74)=平良成川=が県糖業振興協会理事長賞を受賞した。2016~17年期サトウキビ生産で優秀な成績を収めた8個人・2法人が表彰された。
また、長年にわたり糖業振興に尽力した功績への特別表彰の県糖業振興協会理事長賞には砂川博一さん(71)=城辺上区=、志堅原勝男さん(77)=多良間=の2人が選ばれた。
上里さんは前回の競作会で、10㌃当たりの春植甘蔗糖重量で県記録(3872㌔)を達成し、県1位の農林水産大臣賞に輝いた。今回の重量3637㌔は前回に次ぐ記録だったが、前回実績を上回る必要条件に満たなかったことで、入賞者に近い奨励農家となった。
特別表彰の砂川さんは栽培歴57年。サトウキビと畜産の複合経営を行い、サトウキビの梢頭部を飼料に、自家堆肥(牛ふん+バガス)を圃場や草地に還元して資源循環型農業を実践。地域の模範・リーダーとして、サトウキビ振興に大きく貢献する。
志堅原さんは同54年。エコファーマーとしてクロタラリアを活用した土づくり、緩効性肥料での化学肥料の低減、耕運機や手取りの除草で化学農薬の低減にも取り組むなど、高い栽培技術で地域の手本となり、糖業振興に貢献する。
表彰式を終えて、上里さんは「5年間は自分の記録を破らない限り入賞できないので、今は複雑な気持ち。有機肥料を主体にした土づくりや、雑草と病害虫の駆除に徹していきたい」、砂川さんは「非常に大きな賞を頂いて喜んでいる。畑の草を牛にやり、牛から出る堆肥を畑に還元することで株出しも良くなるので、今後も続けていきたい」、志堅原さんは「感謝の気持ちでいっぱい。多良間はキビ作1本の島なので、草取りを一番大事な仕事として、健康である限り頑張りたい」とそれぞれ話した。