災害時の伝達方法を再確認
気象台と関係機関 防災気象情報説明会
宮古島地方気象台(松田博之台長)は25日、同気象台で県や市、警察、消防、マスコミなどの関係機関に防災気象情報等に関する説明会を開いた。情報を提供する気象台と、防災施策をする関係機関が緊密な連携を図り、災害時には市民に最新情報を迅速に伝達する方法などについて再確認した。
説明会は毎年行われており、今年は13機関から約20人が参加した。
開会のあいさつで、棚原聡次長は「東日本大震災や熊本地震、糸魚川市での大規模火災など記憶に残る災害が相次いでいる」と指摘。2003年9月に、宮古島地方を襲った台風14号による甚大な被害を挙げ「あれから14年が過ぎている。天災は忘れたころにやってくるといわれる。これから宮古は台風の被害が懸念される季節になる。防災に関して、関係機関のさまざまな疑問や要望に応えていきたい」と話した。
説明会では「新たなステージに対応した防災気象情報」「高潮高波に関する情報」などを、防災気象官や予報官らがスライドを使って分かりやすく説明した。
このうち「防災気象情報について」と題し説明した仲村渠恒政予報官は「暴風域から離れた所でも暴風となることもある。暴風域の警戒を呼び掛けるのではなく、いつから暴風になるのかということを重点に呼び掛けてほしい」と話した。
また、「波浪注意報が発表されていなくても、海岸付近では急な高波や強い流れに注意が必要。波の高い非常に危険な状況の中で、海水浴をしている人が見られる」と指摘。防災関係者に、各種広報手段を使って水難事故の未然防止を図ってほしいと呼び掛けた。
山城浩地震津波防災官は、宮古島には池間島から城辺にかけての「中部断層帯」(全長約28㌔)と、伊良部から島の西側を通り来間までの「西部断層帯」(全長約17㌔)の二つの断層帯があると説明。「地震はあす起きるか、数千年先に起きるか予測できない。日ごろから地震に対する備えを市民に周知してほしい」と話した。