陸自配備計画で現地視察/県議会与党会派「社民・社大・結連合」
防衛体制拡大を確認/地下水への影響も懸念
県議会与党最大会派の「社民・社大・結(ゆい)連合」(比嘉京子会派長)は9日、防衛省が進める陸上自衛隊駐屯地が計画されているゴルフ場、千代田カントリークラブを周辺から視察した。また、隣接する航空自衛隊宮古島分屯基地の全景を千代田方面から視察。尖閣諸島周辺を含む東シナ海で活動を活発化させる中国を念頭にした、南西諸島の防衛体制の強化を目の当たりにしたメンバーは、地下水など周辺に与える影響に強い懸念を示した。
自衛隊の配備計画が進められている現地を視察し、県議会として、どういう対策が取れるのかを考えることが目的。同日夕には、基地問題の専門家による講話を聞き、市民との意見交換会にも臨んだ。
視察には会派のメンバー12人のうち、9人が参加。千代田自治会の冝保定和さんと、野原自治会の仲里成繁さん(ともに自治会前役員)が現地を案内した。
冝保さんは千代田カントリー内に計画されている宿舎や車両整備場、食堂・福利厚生施設などの各施設の配置図を示して、民家から3~5㍍しか離れていないことを指摘。自分の家の正面には倉庫が配置される予定であるとし、「計画が予定通り進められると、西日がさえぎられる倉庫の壁を見ながら生活することになる」と話した。
また、「千代田カントリー内だけに施設が収まるのか心配だ」と述べ、計画の範囲が拡大する恐れがあると懸念を示した。
メンバーは、千代田から野原の空自分屯基地の全景を視察し、建設が進められているレーダー施設などを確認した。
自衛隊の新施設や既存施設の全体像も見えないとの報告にメンバーからは「米軍基地と一緒」「オスプレイが来るのは時間の問題ではないか」などと強い不満の声が上がった。
視察後、比嘉会派長は「命の水と言われる地下水問題が解決されないまま、物事が進められている。県議会は、辺野古(米軍普天間飛行場の移設先)や高江(米軍ヘリパット建設)を中心に動いているが、今回の視察をきっかけに先島の自衛隊問題にも力を注いでいきたい」と話した。
会派に所属する宮古島市区選出議員の亀濱玲子氏は「地下水の島ということを再確認したと思う。宮古の現状を把握し、県議会でやれることは積極的に取り組んでいきたい」と述べた。
メンバーは10日に石垣市に向かい、現地で計画されている自衛隊配備予定地の視察や、地元住民との意見交換会に出席する。