虐待は4件増の40件/要保護児対策協
実相談33件減、延べ相談1065件減
児童福祉に関係する団体で構成する宮古島市要保護児童対策地域協議会(会長・下地律子市福祉事務所長)の2017年度代表者会議が10日、市役所平良庁舎で開かれた。支援対象者に関する市への相談状況が報告され、16年度は相談実件数が113件で前年度比33件の減、延べ相談数は962件で1065件もの大幅減となったこと、虐待対応件数は4件増の40件だったことなどが紹介された。
市児童家庭課のまとめによると15年度の家庭児童相談室への相談は延べ件数で2027件、実件数が146件だったのに対し16年度は延べ件数962件、実件数113件といずれも減少した。
16年度の相談延べ件数の内訳を見ると、若年妊婦や妊婦健康診査未受診妊婦など妊娠期からの継続的な支援を特に必要とするハイリスク妊婦からの相談など項目では「その他」に位置付けられるものが最多で353件。次いで「虐待(疑い含む)」が218件、児童の養育についての経済的問題や不良な地域環境などの「環境福祉」153件などとなった。
虐待の対応件数は15年度が身体的虐待件、性的虐待2件、心理的虐待8件、ネグレクト(育児放棄など)15件の計36件だったのに対し、16年度は身体的虐待14件、ネグレクト26件の計40件で4件の増となった。
40件のうち主な虐待者は実母が最多で25件、実父が10件、実父以外の父親2件、実母以外の母親1件、その他2件。虐待を受けた子供の年齢構成は0~2歳が1件、3~6歳が8件、小学生22件、中学生9件、高校生・その他は0件だった。
代表者会議では事務局を務める市児童家庭課の砂川克佳課長が相談状況を報告。延べ相談件数が大幅減となった要因として16年4月から県中央児童相談所に離島担当職員が配置され、随時複数の職員が来島し、直接的な対応が可能になったことや、それに伴い中央児童相談所と市の関係機関との連携が充実したことなどを挙げた。
主な虐待者で実母が多い理由として担当職員は多子母子世帯や母親が病気の世帯があることなどが主要因との考えを示した。
相談状況報告の前には県福祉事務所長で今年4月に開設された県中央児童相談所宮古分室の分室長も務める野原勝氏が協議会副会長に指名されたほか、野原副会長が県内の児童虐待の状況や同協議会の役割などについて説明した。