生産額35%増目指す/農林水産業
農政審議会が県に答申
【那覇支社】県農政審議会(会長・砂川博紀JA沖縄中央会会長)は16日、2021年度までの農業政策の指針となる沖縄21世紀農林水産業振興計画(後期)について浦崎唯昭副知事に答申した。同計画では、県農林水産業生産額を15年度実績値から35%増の1540億円とする目標を設定したほか、グリーンツーリズムなど特色ある離島力を生かした振興も明記された。県は、近く同計画について正式に決定する。
沖縄21世紀農林水産業振興計画は、沖縄振興の基本計画「沖縄21世紀ビジョン」を補完する目的で12年に策定された。これまでの計画期間(12~16年度まで)が終了したのを受け、17~21年度までの後期計画が農政審議会で議論されてきた。
後期計画では、前期に引き続き「おきなわブランドの確立と生産供給体制の強化」や、輸送コストの低減対策を含む「流通・販売・加工対策の強化」など七つの基本方針を定めた。
具体的な目標としては、21年度には県農林水産業生産額を15年度実績値から35%増の1540億円とする目標を設定した。内訳は、農業産出額が1220億円で15年度実績から30%増、漁業300億円(同54%増)、林業20億円(同43%増)。
このほか、県産農林水産物・食品の海外輸出額を21年度に26・4億円(15年度実績値19・7億円)とした。宮古関係では、離島における効率的かつ安定的な生産に向けた基盤整備も盛り込まれた。
砂川審議会会長は、答申に当たり「本県では農業生産額が4年連続で増加するなど前期計画の成果が着実に上がっている。今後も、目標に向けて農林水産業の振興に努めてほしい」と述べた。浦崎副知事は「今後も各種施策を展開していく。引き続き協力をお願いしたい」と応じた。
県農政審議会は、農業や自治体関係者のほか県婦人連合会会長など14人の委員で構成。下地敏彦宮古島市長も、県市長会副会長として参加している。