新たな誘客振興策を/離島観光振興会議in宮古
国、県、地元が課題共有/受け入れ体制強化など確認
宮古圏域のさらなる観光振興を図ることを目的とした「2017年度第1回離島観光振興会議in宮古」が18日、県宮古合同庁舎で行われ国、県、宮古島市、多良間村と関連する民間団体の担当者らが圏域の現状における課題を共有するとともに、今後の方向性について意見を交換した。会議では年々増加する入域観光客に対応するために受け入れ体制の充実と強化が喫緊の課題として示された。
開会のあいさつで県文化観光スポーツ部の嘉手苅孝夫部長は「宮古圏域の観光が好調に推移しており、私たちも喜んでいる。県も4年連続で過去最高を更新しており、今後は受け入れ態勢が重要な課題になる。率直に意見を交換して有意義な内容にしてほしい」と呼び掛けた。
宮古島市から示された課題は▽活力ある新たな観光コンテンツの開発▽伊良部大橋開通後の観光戦略▽観光地としての受け入れ体制強化▽クルーズ客船の受け入れ強化-など8項目の課題が示された。
このうち、受け入れ体制については、大幅に増加しているクルーズ船による外国人観光客が安心して観光できるための取り組みの必要性が示された。
具体的には、県や観光コンベンションビューロー、観光協会などと連携し外国語に対応できる観光ガイドの育成や観光案内板、道標の多言語化のさらなる充実が求められた。
さらに、インバウンド対策としてクルーズ船ごとに客層や消費傾向にばらつきがあることから、その特徴を把握した上で地元の産業振興全体に効果が波及するような仕組みの構築も課題として示された。
多良間村は課題として▽宿泊施設の量と質の不足▽島の情報発信の充実▽農漁業の振興と観光との連携-など8項目が示された。
このなかで、宿泊施設については、島の行事やイベント時に宿が取れないため来島できない観光客や来島しても仕方なく日帰りする客が少なくない状況で、それを改善するするために収容能力の向上が喫緊の課題としている。
観光関連事業者側からの意見としては、観光と地域資源を結びつけた商品を旅行業者と開発することや、伊良部大橋開通による橋詰め広場活用について、物産の振興を中心に取り組んでほしいとした意見が示された。
そのほか、県の説明では宮古島市の入域観光客は2012年度から14年度までは40万人台で推移していたが、15年度に50万人台になると16年度は海外からの大型クルーズ船の増加などもあり一気に70万人台になっていることが説明された。
また、多良間村も12、13年度は5000人台で推移し、14年度から6000人台となって増加傾向で推移していることが報告された。