サシバを絶滅危惧種に指定/県環境部
レッドデータ12年ぶり改訂
【那覇支社】県環境部(大浜浩志部長)は17日、県内の貴重な野生生物の現状を把握し、その保護を目指す「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版動物編(レッドデータおきなわ)」を発刊したと発表した。12年ぶりの改訂で、サシバが近い将来に絶滅の危険性が高くなるおそれがある「絶滅危惧Ⅱ類」に指定された。宮古島諸島で絶滅の恐れのある生物は293種、うち絶滅種はミヤココキクガシラコウモリを加え計2種となった。
県全体では、絶滅種および絶滅危惧種は、前回(2005年第2版)の837種から154種増加し、991種となった。主に増えたのは魚類で68種増の124種。次いで甲殻類が61種増の137種、貝類は57種増の419種となった。
また、絶滅種として哺乳類でミヤココキクガシラコウモリ、鳥類でダイトウノスリ、貝類でキルンとリュウキュウカワザンショウの4種が新たに追加された。一方で、絶滅種に指定されていた鳥類のダイトウウグイスと貝類のミヤコオカチグサの2種の生存が確認された。この結果、絶滅種は2種増加し計11種となった。
サシバについては、環境省が既に絶滅危惧Ⅱ類に指定している。今回の改訂で、県としてもサシバが絶滅する危険性を確認した形となる。
絶滅危惧種と絶滅種が増えた背景として県は、開発行為による生息地の消失・減少や営利目的など人為的な影響のほか、研究の進展に伴う新たな発見や、個体数の減少が懸念される一部魚類について陸域と河川に加え海域も調査対象としたことが要因と分析している。
大浜部長は、現在、ネットオークションなどで絶滅危惧種に指定されている希少生物が高値で売買されている現状について「貴重な生物を守るためにも絶対にやめてもらいたい」と訴えた。
「レッドデータおきなわ」は、1996年に初版を発行。県は、第3版を市町村や学校・図書館などに配布する。県のホームページでもリストを確認することが可能。