海外クルーズ客感動/タクシーに落とし物、無事届く
落とし物をしても、そのほとんどが、落とし主の元に返ってくる「日本の落とし物文化」が海外から称賛されている。宮古島市でも、海外クルーズ船の乗客が、タクシーに忘れ物をしたが、無事に落とし主に届けられるケースが続き、乗客が感動したとの情報が寄せられている。宮古島観光協会では「当たり前のことだが、宮古のイメージアップにつながる」と喜んでいる。
市観光課などによると、今月10日に香港から那覇経由で宮古島に寄港した「ゲンティンドリーム」の乗客が宮古観光を終え、乗船しようとした際、財布をタクシー内に忘れたことに気付いた。
通訳を通して訴えたところ、現場にいた関係者がタクシー会社に電話をし、走行中の運転手らに協力を求めると、約1時間後に落とし主に届けられたという。
当時、現場にいた関係者によると、落とし主は中国人の高齢者夫婦で、とても感激し「思い出に残る旅ができた」などと話していたという。
13社が加盟する宮古島タクシー協会によると、海外からのクルーズ船の寄港が増え、タクシー内での忘れ物も多くなっている。財布のほか、パスポートや土産品、各種カードなどもあり、ほとんどが落とし主の元に戻っている。
観光協会によると、城辺に向かう路線バスに間違って乗り込んだクルーズ船の乗客を、運転手が機転を利かせて、途中からタクシーに乗り換えさせ無事に平良港まで送ったこともあった。
宮古島観光協会の池間隆守専務理事は、行政やバス・タクシー会社、ガイドなどで構成する「受け入れ環境整備連絡協議会」が機能していることを強調。週1回は課題解決に向けて意見交換していることを紹介し「官民一体の受け入れ体制が奏功していると思う」と話した。
その上で「観光客に親切な島というイメージが定着すれば、『もう一度、宮古に行ってみたい』と思う人が増えるはず。これからも、おもてなしの心で迎えてほしい」と話した。
同協会によると、クルーズ船を運航する一部の会社では乗客にアンケートを実施。島の印象など、乗客の反応が良ければ宮古への寄港を継続する予定だという。