「沖縄返還」振りかえる/市総合博物館
平和展「復帰への歩み」
6月23日の「慰霊の日」に合わせ、市総合博物館(上地等館長)で19日から平和展「沖縄返還から45年 復帰への歩み」が開催されている。上地館長は「過去の状況を振り返り、平和とは何かを考える機会となれば」と述べている。6月25日まで。
平和展は「戦争」と「復帰」という二つのテーマで構成されている。
1931(昭和6)年の満州事変、37(同12)年の日中戦争に続いて41(同16)年に太平洋戦争が勃発。沖縄県内は戦時色が強まり、日本は戦争へと突き進んだ。
44(同19)年10月10日、宮古は米軍機の空襲にさらされた。世に言う「10・10(じゅう・じゅう)空襲」。沖縄本島は地上戦が展開され、沖縄戦では多数の民間人が巻き込まれ犠牲になった。民間人と日米両軍を合わせた死者は20万人以上とされる。日本軍の組織的戦闘は6月23日で終結した。
その後、沖縄は米軍政府の占領統治下に組み込まれ、琉球政府となった。58(昭和33)年にはB円から米ドルに切り替えられ、沖縄はドルが法定通貨としての流通時代に入った。
戦後、本土復帰の運動が高まり、1972(昭和47)5月15日、沖縄は祖国日本に返還された。返還に伴い、米ドルから円に替わった。これまで本土へ渡航するにはパスポート(身分証明書)が必要であったが、復帰によってそれが不要となった。
日本政府は78(同53)年7月30日、沖縄で交通方法の変更を実施。「車は左、人は右」となった。変更された日は通称「ナナサンマル」と称していた。
今回の平和展では、戦争から本土復帰までの歩みを中心に関連資料やパネルで紹介している。
今年は沖縄の米国統治から本土復帰した5月15日で、満45年を迎えた。