大漁と航海安全祈願/各地でハーリー
爬龍舟競漕に沸く
旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に当たる29日、向こう一年間の航海安全と大漁を願う海の祭典「ハーリー・海神祭」が佐良浜漁港や久松漁港、池間島の水浜など7カ所で開催された。海の男たちによる勇壮な爬龍舟(はりゅうせん)競漕(きょうそう)では、「ゴーヘイ、ゴーヘイ」と掛け声を響かせて力強いかいさばきを披露。水しぶきを上げながらの激しいレース展開に、観客からは「頑張れー」「負けるなー」と大きな声援が送られた。
漁業が盛んな佐良浜漁港では、この日の早朝から各漁船が鮮やかな大漁旗を掲げて港を彩った。
2年前に伊良部大橋が開通してからは、宮古島からの見物客や多くの観光客らが訪れている伊良部漁協の海神祭。会場では、子供たちや老人クラブによる演舞のほか、「カツオのおおばんまい」も開催されて、会場には歓声が響いた。
あいさつで、伊良部漁協の漢那一浩組合長は「今年度内には伊良部の水産業振興の拠点となる伊良部地区海業支援施設が漁港内に完成する。きょうは天気も心配されたが晴れてくれた。みんなでハーリーを楽しんでほしい」と呼び掛けた。
そのほか、下地敏彦市長や宮古農林水産振興センターの植田修所長らが来賓のあいさつを行い、佐良浜地域における漁業のさらなる発展を支援していくことを約束した。
池間添と前里添に分かれて行われた爬龍舟競漕は、水しぶき上げて疾走する爬龍舟に観光客からは「想像していたよりもかなり速い」「こぎ方がかっこいい」などの感想が聞かれた。
「カツオのおおばんまい」では、4艘の漁船からカツオが観客に投げ込まれ、空中を飛び交うカツオの切り身をビニールや段ボールで受け取っていた。
そのほか、会場では佐良浜小学校や同中学校の児童生徒らが演舞を披露したほか、各婦人会や老人会などによる踊りや民謡ショーなども行われ、海神祭を盛り上げた。