従業員の「健康管理」学ぶ
企業経営者対象にセミナー/労基協宮古支部
県労働基準協会宮古支部安全衛生部会主催の「健康経営セミナー」が30日、県宮古合同庁舎講堂で開かれた。同協会会員企業の経営者や労務担当者ら約20人が参加し、従業員を企業経営上の資源と捉え、企業が従業員の健康増進を投資と位置付けて取り組む「健康経営」について学んだ。
同セミナーは定期健康診断で異常を指摘される有所見者の割合が、2011年度から連続で沖縄が全国ワースト1位となっている現状を踏まえ、労働者の健康確保対策は企業経営上の重要な課題との考えから従業員の健康管理は経営者が行うべきとする「健康経営」の考え方に理解を深めてもらうことを目的に宮古労働基準監督署(宮國浩署長)との共催で開催された。
セミナーでは保健師で「健康経営アドバイザー」の西里えり奈さん(島の保健室代表)が「健康経営」について講話。経営者が「健康経営」に取り組むことで従業員満足度が向上するほか、生産性や企業イメージも向上するとした上で、従業員の健康に投資することは会社の未来に投資することになる」との考えを示した。
宮古地域産業保健センターの松尾優二コーディネーターは、労働者の健康管理に関する相談や戸別訪問による産業保健指導など同センターが担う役割、従業員以下の事業場は無料でサービスを受けることができるなどの利用メリットを紹介し、センターの利用を呼び掛けた。
宮國署長は「事業主の中には、健康問題は個人の問題と捉え本人まかせという事業所も少なくない。健康経営の取り組みや働きやすい職場の実現が生産性の向上につながると思う」などとして「健康経営」の取り組み推進を要請した。
労働基準監督署の担当職員は宮古地区の健康診断での有所見率について説明したほか、持病を悪化させ長期休職してしまった従業員がいるとの想定で、対応について検討するグループワークも行われた。