議会経ず備品購入契約/市議会6月定例会
市が手続きミス/市長が陳謝、追認求める
宮古島市が備品購入の契約で、議会の議決が必要だったにもかかわらず、この手続きを取らずに民間会社と契約を締結していたことが8日開会した市議会(棚原芳樹議長)6月定例会本会議で明らかになった。下地敏彦市長は「このようなことが二度と起こらないよう万全を尽くす」と陳謝。契約を有効にするため追認を求める議案を提出したが、野党議員からは「議会軽視だ」と反発の声が上がった。
議会の議決を経ずに契約を締結したのは、市スポーツ観光交流拠点施設(JTAドーム宮古島)内で、企業の会議や研修旅行などに使用する会議用テーブル、椅子などの備品購入(契約額3685万円)と、ドーム内で使用するバスケットボールのゴールなどのスポーツコート関連用品購入(3272万円)の2件。いずれも一括交付金を活用している。
会議に使うテーブルなどの備品はすでに納品されており、納品した会社には全額支払われているという。
地方自治法や市の条例では、2000万円以上の備品購入などの「財産取得」は、議会の議決が必要となっている。
質疑で指摘された下地市長は「ミスであり、今後はしっかりと法令を順守するようにする」と陳謝。長濱政治副市長は、市職員懲戒分限審査委員会を設置し、関係職員らの処分を検討する方針を示した。
市によると、決済にかかわったのは担当職員、係長、課長、局長、副市長、市長の6人。過去にも同様な事例があり、その時は課長や部長らが訓告などの処分を受けている。
追認議決を求める2件の議案は、総務財政委員会(嵩原弘委員長)に付託され、9日から同委員会で集中審査が行われる。