市、違反知るも代金支払う/市議会総財委
議会経ず備品購入契約問題
宮古島市が備品購入の契約で議会の議決が必要だったにもかかわらず、この手続きを取らずに民間会社と契約を締結していた問題。市は決裁ルートの流れの中で、議会議決に付すべきものと知りながらも、市の条例に違反した手続きで購入代金を支払っていたことが9日の市議会総務財政委員会(嵩原弘委員長)で明らかになった。市は、年度内処理が必要だったと釈明し、契約を有効にするための追認議決の提案に理解を求めたが、委員からは「ミスが判明した時点で、臨時議会を招集するなど早急に対策をすべきだった」と指摘。ミスが判明した3月末から、問題を放置していた市の対応を批判した。
議会の議決を経ずに契約を締結したのは、市スポーツ観光交流拠点施設(JTAドーム宮古島)内で、企業の会議や研修旅行などに使用する会議用テーブルなどの備品購入(契約額3685万円)と、ドーム内で使用するバスケットボールのゴールなどのスポーツコート関連用品購入(3272万円)の2件。いずれも一括交付金を活用した。
このうち、会議用テーブルなどの備品購入については、すでに納品した会社に全額支払われている。
手続きのミスが判明したのは、市議会3月定例会閉会後の3月29日で、財政課が指摘した。年度内処理が必要なことや「納品業者に迷惑が掛かる」などとした理由から、無効な契約にもかかわらず一連の事務手続きが進められたことになる。
市は、追認議決の単独提案は臨時議会で処理したことがないという過去の事例をもとに、6月定例会まで追認議決の提案を見送った。
委員からは「人間はミスをするが、問題はその後にどう対応するかだ。議会は多数与党で『何でも賛成してくれる』という雰囲気が漂っている」などと、ミスが判明した時点で、早急に対策を立てるべきだったと指摘した。
市は「追認議決が否決されれば、契約は無効になり一括交付金の返還となる」との見解を示している。
追認議決を求める2件の議案は、12日に同委員会で採決が行われる。